また、Photoshop 6.0ではテキストや段落の設定をすばやく行うために、文字/段落の設定パレットも用意している。フォントの縦幅や横幅に関する設定から文字組みの設定まで、ひととおりのことはここで行える。
テキストと文字の設定パレット。テキストに関するほとんどの設定は、ここで指定できる。 |
さらにもうひとつ、今回からはテキストを、作業領域に直接タイプできるようになった。従来はいちいち文字ツールのボックス内に入力しなければならず勝手が悪かっただけに、嬉しい改良点といえる。
このほか、Web用のイメージマップ作成に威力を発揮する「スライス」ツールの搭載、画像を任意の方向や強さにゆがませる「ゆがみ」コマンドの追加、PDF出力の強化、さらには、切り抜きツール/抽出コマンドの改良、プリントアウトする前におおまかな状態を確認できる「プリントプレビュー」の搭載など、細かい部分まで含めると、さまざまな部分で機能の強化や、新機能の追加が行われている。
ゆがみコマンドは文字どおり、画像をブラシでなでるようにするだけで、さまざまな「ゆがみ」を加えることができる。使用前と使用後の差に注目。 |
なお、Photoshopに同梱されているWebグラフィックス作成ソフト「Adobe ImageReady」もバージョンアップし、「Adobe ImageReady 3.0」となっている。アニメーテッドGIFなど動きを伴なうグラフィックデータの作成や、特定の領域をポインタが通過した際にアクションを起こすような仕掛け(ロールオーバー)の追加に役立つだろう。
価格はオープンプライス。アドビシステムズの運営するオンラインショッピングサイト「Adobe Store」(http://www.adobe.co.jp/store/)では、9万6100円での販売が予定されていることから、店頭での実売価格もそれに近いものになると予想される。すでにPhotoshop日本語版を持っているユーザーであれば、2万5000円でアップグレード版を入手可能だ。
プリントプレビューでは、印刷するオブジェクトの大きさ(プリントサイズ)に関する調整やトンボの指定が行える。 |
今回のバージョンアップではさまざまな機能を詰め込みながらも価格的には実質据え置きで、コストパフォーマンスはかなり高い。レイヤーセットのネストへの未対応など若干疑問に感じる部分もあったものの、ユーザーインターフェイスの改善によって操作性は良くなり、作業能率についてもレイヤースタイルなどのおかげで格段に向上している。総合的に考えれば、非常に優秀であることは確かだ。グラフィカルなWebページをしばしば作成する人や従来のPhotoshopのレイヤーシステムに不満を持っている人などに、特にお勧めしたい。
製品名 | Adobe Photoshop 6.0 日本語版 |
---|---|
価格 | オープン |
発売元 | アドビシステムズ |
問い合わせ先 | カスタマーインフォメーションセンター |
03-5350-0407 | |
URL | http://www.adobe.co.jp/ |