日本オラクル(株)は8月22日にホテルニューオータニで開催された同社のLinuxビジネス戦略に関する記者発表会にて、2000年8月30日より「Oracle8i Enterprise Edition for Linux Release 8.1.6」を提供すると発表し、それを受けた同社のLinux戦略について説明を行なった。
今後のLinuxビジネス戦略を語る日本オラクル(株)の新宅正明氏 |
Oracle8iはマルチメディア型データの管理機能やサーバサイドJava実行環境を備えたRDBMS(Relational DataBase Management System)。今回発表された「Oracle8i Enterprise Edition for Linux Release 8.1.6」は、VLDB(Very Large DataBase)のサポートや数千~数万クライアントからの要求対応など、大規模システムへの適用を視野においた機能が盛り込まれている。なお、対応ディストリビューションは、
- Red Hat Linux 6.0/6.1/6.1J/6.1 改訂 日本語版/6.2/6.2J/6.2J 改訂版
- TurboLinux Server 6.0/6.1 日本語版
- Miracle Linux Standard Edition V1.0(対応予定)
となっている。
また、従来から提供されていた「Oracle8i Workgroup Server for Linux」の最新版となる「Oracle8i Workgroup Server for Linux Release 8.1.6」も、9月中旬頃の出荷が予定されている。
Oracle8i for Linuxの今後
記者発表会では新製品発表のほかに、日本オラクルの常務取締役兼最高執行責任者である新宅正明氏や製品マーケティング本部長である保科実氏によって、同社の考えるLinux製品の事業戦略が語られた。同社は低コストでTCO(Total Cost of Ownership)に優れたLinuxがローエンドサーバで活躍してきたこれまでを第1段階と考えている。そして「Oracle8i Enterprise Edition for Linux」を中心とする、パラレルアーキテクチャやパーティショニング機能を持ったソリューションで、第2段階であるエンタープライズ向けの需要を喚起する。同社では来年以降、ミッションクリティカルな分野へのLinuxの適用である第3段階――クラスタ対応、64bit対応の「Oracle8i for Linux」を計画しているという。
Linuxは重要なプラットフォーム
日本オラクルではLinuxを新たな、また重要なプラットフォームの1つとして考えている。Windows上と同等のサポート体制を確立するため、同社は認定資格として従来の
- Oracle Master Silver
- Oracle Master Gold
- Oracle Master Platinum
の3つに加え、
- Oracle Master Linux+
を設立した(受験にはOracle Master Silver以上の資格が必要)。また、同社が出資する新会社「ミラクル・リナックス(株)」の作るディストリビューション「Miracle Linux」では、Windows以上のサポート体制を確立する予定だという。