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日本法人のレッドハットから出る初の製品「Red Hat Linux 6.1 日本語版」をレビュー

1999年11月17日 17時38分更新

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 Red Hat Linux日本語版は、日本語の扱えるGNOMEとKDEを採用した。いまどきのディストリビューションらしく、gdmのログイン画面で、GNOMEとKDEを選択することができる。ただし、LASER5 LinuxやTurboLinuxと比較すると、メッセージが日本語化されていないところが多いようだ。

 また、TrueTypeフォントの扱えるXサーバ「X-TT」を採用していないので、バンドルされたDynaFont 5書体を使うことができないのが非常に残念だ。使うためには、ユーザー自身がX-TTをインストールしなければならないし、フォントはRPMで提供されていないので、ユーザーがfonts.dirなどを書かなければならない。デフォルトでは使わない(使えない)フォントにユーザーはライセンス料を払うことになるのだから、それならばTrueTypeフォントはバンドルしなればよかったのではないかと思う。

 ほかの点を見ても、Emacsではcannaやwnnを使えるパッチが当たっていないために(※1)、ターミナルで動さなければ入力できないなど、現状では日本語化にあまり力が入っていないようだ。逆の視点から見れば、サーバ管理者など「素のRed Hat Linux」に近いものを求めるユーザーにはいいのかもしれない。

まとめ

 Red Hat Linux日本語版は、日本語環境を整えるためにいろいろ手を加えなければいけないところがあるため、初心者にはなかなかつらいのではないかと感じた。一方、同製品は最大のシェアを持つといわれるRed Hat Linuxの正式な日本語版で、レッドハットなどがサポートを表明していることもあって、サーバ用途では有力な選択枝になるだろう。

※1 yc.elを使用すれば、パッチの当たっていないEmacsでもCannaを使うことができる。そのほかのパッケージも、(必ずしもうまくインストールできるとは限らないが)JRPMKondara MNU/Linuxのパッケージを必要に応じて入れるといいだろう。

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