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「スゴすばらしい」完成度の「Fable II」制作秘話を聞いてきた!

2009年02月18日 20時00分更新

文● 内田幸二

吟遊詩人の歌唱センスは
日本語版スタッフのセンス!

――声優さんは、どのような基準で選ばれたんですか?

吉田:キャスティングを担当される方に資料を渡し、頂いたボイスサンプルを聞いてこちらで決めました。ネームバリューよりも、キャラに合うようなキャスティングを重視しています。

――声優さんは、ひとりどれくらいの分量を担当したのですか?

吉田:人それぞれですが、吟遊詩人の方の場合だと、歌は別にして2500種類を3日ほどで録っています。1日で平均1000ファイル以上は録っていますね。疲労がピークの時にはミキサーさんの手がつってしまい、「クリックできない」ってこともあったくらいなんです(笑)

何気なく聞こえてくる住人たちの声も、英雄の状態によって様々に変化する

――それは、すごい!(笑) そこまで処理数が多いと、リテイクはほぼないに等しい感じですか?

吉田 内容に関しては、ニュアンスの違う部分だけですね。ただ、尺の違う部分は全部やり直しなので、実際にはリテイクの嵐でした。

――NPCの会話のパターンっていくつくらいあるんですか?

吉田:朝昼晩と、英雄に対しての感情、英雄が有名か無名か、クエストの前後など細かく細分化されています。
山沢:女装しているときだけ聞ける台詞もありますね(笑)

――ちなみに吟遊詩人はどのような選定でしたか?(笑)

吉田:吟遊詩人ですか(笑) まず、歌があるので「歌の歌える方」ということと、ストーリーテラーでもあるので「長文を読んでも聞きやすい人」という基準で選んでます。

街のいたるところで英雄を見てはストーリーに合った歌を歌ってくれる吟遊詩人。街の人と一緒に聞いていると名声がドンドン上がるぞ

――ちなみに、吟遊詩人の音楽はアドリブなんですか?

山沢:あれは、内部のスタッフが作曲しているんですよ。
吉田:英語版でもメロディがあったんですが、どうしても日本語に合わなかったため、無理を言って社内の人間に作ってもらいました。数パターンのメロディができてきて、それに合うように日本語訳をのせてできたのが、あの歌なんです。

どこか懐かしい感じのする吟遊詩人の歌のメロディーは、日本語版スタッフと声優さんによる合作。どうりで耳馴染みが良いわけですね!

山沢:日本語訳は、歌いやすいようにすべて七五調や八五調などにしています。メロディーも、歌詞の内容に合わせて楽しい曲調や暗い曲調など色んなパターンがあるので、ぜひ聴いて欲しいですね。

――あの歌も、±0.2秒の仕様に合わせて作られているんですか?

吉田:クエストの中に入っている物も含まれているため、±2秒の仕様にそって作ってます。なので台詞によっては「巻きで歌ってください」とか、「余る部分は、最後を長めに歌い上げてごまかしましょう」とか指示してたりします(笑)

(次ページへ続く)

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