複雑なゲーム設計ながら
簡単なゲームプレイで迷わない!
非常に複雑なゲームシステムを持っている「FableII」だが、ゲームはいたって気楽にプレイできる。
たとえば、プレイヤーの進むべき道には地面にガイドラインが表示され、 現状の進むべき道を案内してくれる。もちろん、このガイド以外にも探索すべきエリアは存在するため、あくまでも主要のルートを案内するためのもの。また、マップに置かれている宝箱なども、同行する犬がその存在をナビゲートしてくれるため、見逃すことも少ない。
戦闘部分も各ボタンに「近接攻撃」、「遠距離攻撃」、「ウィル(魔法)」が割り振られ、非常にシンプルな設計になっている。遠距離攻撃などは、ターゲットを決めて攻撃するだけでよく、正確に狙いを定めるようなアクション性の高い操作などは極力省かれているのだ。まさに、ストーリーを楽しませる部分に重点を置かれているのである。
善行が悪行で、悪行が善行?
しかし、善悪とは表裏一体の部分も多いもの。現実世界でも表面的の善意が金銭目的だったなんてことは良く聞く話で、「FableII」でも実際に起こりえる。
例えばゲームの序盤には、求め合う男女とその仲を引き裂こうとする娘の母が登場し、男から恋人にラブレターを渡すように頼まれるクエストがある。若い恋人同士の視点であれば、「自分たちの気持ちを確認して愛を高めあいたい」と望んでいるのだが、母親の視点で見れば、「うちの娘には不釣り合いな獣のような男」という評価になる。母親の視点でも、娘を愛するがための、正当な行為であるといえるのだ(少々変わった母親ではあるが……)。プレイヤーが、娘と母のどちらかに手紙を渡すのは自由なのである。
「手紙を渡す」というミクロな視点では、約束を守るなどの善悪が存在するが、「手紙を渡した結果」というマクロな視点でみた場合、愛する二人は本当に幸せになるのか? その善悪の尺度は未知数であるのだ。そして、このようなどちらともいえない選択肢が多数用意されており、プレイヤーの人間性が試されるのである。
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