富士ゼロックスがA3カラー機「DocuPrint C3360」A4カラー機「C2110」を発表
エコでビジネスプリンターを選ぶ新基準「TEC値」とは?
2008年11月17日 13時00分更新
家電製品のみならず、オフィス機器もエコロジー、低消費電力、低炭素排出量で導入する製品を選ぶ風潮が強くなっている。しかし、消費電力の多寡は最大値や最小値を比べただけでは実質的な差が分からない。
そこで、(財)省エネルギーセンター(関連リンク)では各電気機器の標準的な消費電力量の目安となる「TEC値」を公表し、省エネ性能の違いを測る指標としている。TECとはTypical Electricity Consumptionの略で、プリンター/複合機の場合、平日5日を稼働時間とスリープ/オフの繰り返し、休日2日をスリープ/オフ状態という平均的なオフィスの利用形態を想定して、その製品のスペックや消費電力などから算出する。
なお、高速出力が可能なプリンター/複合機の場合、それに比例して印刷枚数も多いものと想定されるため、省エネ性能が高くてもTEC値は高めになる。また、電源供給の契約形態によって実際の電気代(コスト)は増減するため、TEC値の大小が単純にランニングコストに比例するわけではない。
とはいえ、TEC値を見ることでそのプリンターの実質的な省エネ性能を知るひとつの目安になることは確かだ。
TEC値を6割削減した
A3カラーLEDプリンター「DocuPrint C3360」
富士ゼロックスが17日に発表した、A3カラーLEDプリンター「DocuPrint C3360」、A4カラーレーザープリンター「DocuPrint C2110」は、そのTEC値による低消費電力を訴求した新製品だ。
特にA3カラー機のC3360は、各パーツごとに細かく消費電力を抑えるための専用回路を搭載し、スリープモード時が1.5W以下、TEC値でも2.45kWhという低消費電力を実現している。これは同社従来機(C3140)の8W以下/7.88kWhと比べて6~8割減で、他社の同等スペック機器と比べても半分~1/10になるという。
さらに、トナーの製造方法も見直し、従来の粉砕法よりCO2排出量が35%削減できる化学製法「EA-HGトナー」を採用。両面印刷機能や複数ページの面付け印刷機能も標準搭載するなど、実使用上でもエコロジーを実現するためのスペックを備える。
主なスペックは、印刷解像度が最高1200×2400dpi、印刷速度はカラー/モノクロとも毎分35枚(A4横印刷時)。ウォームアップ時間は28秒以下、ファーストプリント(カラー)は6.4秒。給紙可能枚数はトレイ560枚/手差し100枚で、最大2340枚まで拡張可能。インターフェースはUSB 2.0×2と10/100BASE-TX対応Ethernetで、オプションでGigabit Ethernetもサポートする。セキュリティー機能として、IC Card Gate 2.0(for FeliCa)と連動した認証プリントが可能なほか、暗号化通信プロトコルSNMP v3、IPsecに対応する。
価格は29万8000円(税別)。本体サイズと重量は、幅640×奥行き665×高さ399mm/66kg。ランニングコストはカラー11.9円、モノクロ2.9円(A4印刷、大容量トナーカートリッジ使用時)。
対応OSは、Windows 98/Me/NT 4.0/2000/XP/Vista(XPとVistaは64bit対応)、Server 2003/2008(64bit対応)、Mac OS X 10.3.9~10.5。
A4カラー機のC2110も同時発表
オプションで両面印刷対応に
同時発表のA4カラーレーザープリンター「DocuPrint C2110」は、省電力用回路を非搭載のため、節電時の消費電力が5W以下となるが、従来機C525A(7W)から削減し、TEC値は1.46kWhを実現。A3機と同様にEA-HGトナーを採用し、面付け印刷は標準対応、自動両面印刷もオプションで対応する(従来機では非対応)。
価格は8万9800円(税別)。主なスペックは、印刷解像度が9600×600dpi、印刷速度はカラー毎分18枚、モノクロ毎分20枚。ウォームアップ時間は19秒以下、ファーストプリントはカラー9秒以下、モノクロ7.5秒以下。給紙容量はトレイ250枚、手差し1枚で、最大500枚まで拡張可能。インターフェースはUSB 2.0、Ethernetを標準搭載する。
対応OSは、Windows 98/Me/2000/XP/Vista、Server 2003/2008、Mac OS X 10.3~10.5、Lunux。
