総工費7億円。将来に向け、エコなオフィスへの大規模な試みが始まった。コクヨが品川駅近くの「コクヨ東京ショールーム(東京都港区港南)」にCO2削減実証実験オフィス「エコライブオフィス品川」を開設したのだ。“環境を意識しながら創造性・生産性を高める”ことを目的に、オフィスからのCO2削減を提言していくモデルとしてアピールしつつ、実際に同社社員の働く場として利用して、どれだけのCO2削減効果があるかを実験していく。
エコライブオフィスは天窓による自然採光、窓には小窓を採用して自然換気を行うなどの工夫のほか、空調や照明に対人センサーが装備されて直下に人がいない場合はライトが自動で減光・消灯し、その部分の空調も停止されるといった機能が盛り込まれている。
また、ペーパーレス化に貢献する電子黒板、出張を省略できるハイビジョン会議システムなど、CO2削減効果を期待できるいわゆるハイテク機能が揃っている。しかし、「なによりも重要なのは、そこで働く人がそれぞれエコ意識を持つこと」とは、同社の黒田章裕代表取締役社長の言。

社員の意識改革は「総務部」などの業務としてではなく、トップから行わなくてはならない。ぜひとも(社内の担当者ではなく)経営者の方々にエコライブオフィスを見に来てほしいと語る黒田社長
黒田氏によると、CO2削減などの環境負荷低減はまずは工場の生産の現場、次に運輸業界で実施され、工場や輸送での電力・燃料費の削減はそのまま直にコストとして響いてくるため急速に普及したが、オフィスでは効果はさほど大きくないとされることや、間接的な費用となるため社員ひとりひとりのエコ意識が育ちにくいとのこと。
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