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つなげ!オンガク配電盤 第6回

DS-10公式イベントに出演──イパネマの娘を生で

2008年11月03日 12時00分更新

文● 四本淑三(powered by 武蔵野電波)

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いま俺たちに話しかけるな!


 ところで自分たちの話だが、出演前後のことはあまりに緊張していてほとんど覚えていない。でも他の出演者は同じDS-10を使っているのに、みんな音やアプローチが違うのがすごい、ということは覚えている。

 例えばEowaveの青いフィルターを使いこなしていたhaLRu氏。赤い初代DSでインプロをキメまくっていたA.D.O.L氏。一転して癒し系サウンドで空気を入れ替えたreach氏。アブストラクト感のある音で攻めてきたKokuritsu氏は、ベテランと思いきや実は弱冠20歳の学生さんで、スーパーコライダーのような音楽記述言語にも通じた学究肌の人であった。

会場からは、飛び入りで多数参加

 それにしても驚いたのが、飛び入り参加で曲を披露した人たちのレベルの高さだ。飛び入りでステージに上がる勇気があるなら、誰か僕たちのお面を被って、代わりにやってくれませんか! と思った。

 というのは無理なので、いよいよ演者としてステージに上がると、司会の佐野さんと岡宮道生さん(DS-10開発に関わったAQインタラクティブの偉い人)がマイクを向けてくるわけだ。だが「いま俺たちに話しかけるなオーラ」みたいなものが出ていたらしく、司会も絡みようがなかったようで、どうもすみません。

 そうして出番が終わって戻ってきた出演者は、みなバンジージャンプを終えて生還した人のような表情をしていた。控え室はパニック的状況を全員で乗り切ったような、なにか不思議な連帯感に包まれていたのである。

 互いのパフォーマンスを称えつつ、名刺やらデータやらの交換も始まり、当然の流れとして「次」の話になる。この辺は普通の楽器を操る人たちのミュージシャンシップと変わらない。



聴くより演る方が絶対に楽しい!


会場には、電子音楽界の重鎮・松武秀樹氏も登場。壇上に上がり、「いい時代になったもんだよな、昔はバカでかい機材を搬入して徹夜で準備してたんだから……」とコメントしていた

 ネット音楽シーンにムーブメントしての実体を与えたところに、このイベントの意味があったと思うし、そうした「何かが始まったな」というワクワク感が、もしお客さんと共有できていたとしたら素晴らしい。そのワクワク感というのは、DS-10を通して新しい音楽が聴けるかも知れないという可能性である。

 この楽器の敷居は極端に低い。そして思いついたら行動に移すべきだ。何故なら我々がこのイベントに参加できたのも、思いつきで作った動画がきっかけだからだ。まさか動画をアップしたときに、ここまでつながっていくとは思ってもみなかった。

 このイベントを一番楽しんでいたのは、おそらくプロデューサーの佐野さんだったと思うのだが、客観的に見ればこれも広告費を使った企業活動の一環に過ぎない。つまり仕事だ。それは皆、大人だから分かっているのだが、常識的に考えてあり得ないソフトを作り上げた上に、それが世の中を面白い方向へ動かしている仕事であることに、少なくない敬意を抱くわけだ。

 スタンディングで4時間にも及ぶイベントで、出演者はリハから解散まで9時間も会場に居た。「ぼ、ぼくはもうダメです」と言って、エネルギーを使い果たした船田さんは途中で帰ってしまったが、最後までいた私にしても、3日経ってなお身体のダメージが抜けないくらいで、当日はもう紙のようにヘロヘロだった。

 しかし佐野さんは最後まで全開だった。打ち上げの帰りしな、エレベーターのドアが閉まる直前まで響いてくる佐野さんのはしゃぎ声を聞きながら、やはりお疲れのdenkitribe氏と顔を見合わせ、苦笑したのを覚えている。


俺らは誰か!? そして何をするのか

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電子工作からバンド演奏までさまざまな活動を行なうユニット。各活動に共通するテーマは「電気が通ること」。アナログ・デジタル問わず、電気が通って楽しいことなら、何でもやる覚悟。発起人のスタパ齋藤、船田戦闘機、上杉季明に加え、四本淑三、大木真一が参画中。

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