パナソニックの白物家電は、超省エネ、超UD、そして……
では、パナソニックブランドの白物家電商品とは、どんなものなのか。高見本部長は、「超省エネ」、「超UD(ユニバーサルデザイン)」を掲げる。
「エコとUDは、これまでにも訴求してきた。だが、これからのパナソニックの白物家電は、他社が追随できないような、圧倒的な性能によってこれを実現する。エコといえば、まず想起するのがパナソニック。UDといえば、まず想起するのがパナソニック。こうしたイメージを作っていきたい」
パナソニックブランド初となる冷蔵庫NR-3Tシリーズでは、コンプレッサーの運転パターンの改良と、制御基板部品の小型化、真空断熱材の採用や、冷凍温度帯を集中された効率的な庫内レイアウトによって、従来機種に比べて約30%の年間消費電力を削減。省エネ性能業界ナンバーワンを達成しているという。
「超省エネ、超UDは、これからますます進化することになる。年を追うごとに、大きく進化したとわかる改良を加えたい」。
そして、もうひとつ、高見本部長が語る切り口が、「超・繋がる」である。商品同士の連動を、白物家電同士に留まらず、AV機器などにも広げていく方針だ。例えば、外出先から携帯電話で家電製品を操作したり、インターフォンと携帯電話を結びつけることで、外出先にいながらも訪問者を確認するといった商品提案も、ブランド統一を背景にした成果として今後期待される。
パナソニックでは、ブランドの一本化にあわせて、白物家電の共通メッセージとして、「Hello! Panasonic」を打ち出した。ここでは、パナソニックブランドの白物家電の登場感の演出とともに、ナショナルからパナソニックにブランドが変わっても、引き続き、安心感、信頼感を提供し続けることを訴求するのが狙いだ。さらに、パナソニックが持つ洗練性、先進性といったイメージづくりにも取り組むほか、先進、洗練による「憧れ」と、信頼による「やさしい」を追求する方針だ。
パナソニックブランドによる白物家電は、まさにスタートラインに立った。これからどんなイメージが定着するのか。それに向けた数々の施策が注目される。(つづく)
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