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好調RadeonのミドルクラスGPU、Radeon HD 4600が発表

2008年09月10日 13時01分更新

文● 小西利明/トレンド編集部

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Radeon HD 4670

アンダー75Wの消費電力で優れたパフォーマンスを実現する「Radeon HD 4670」(写真はリファレンスデザインカード)

 リーズナブルな価格で高性能なハイエンドGPU「Radeon HD 4800」シリーズが人気のRadeonに、待望のミドルクラスGPU「Radeon HD 4670」と「Radeon HD 4650」が登場した。搭載グラフィックスカード製品も近日登場の予定。


75W、1GBメモリーでも1万円台前半

 Radeon HD 4800シリーズは、価格性能比や消費電力/性能比を重視したGPUとして好評を博している。Radeon HD 4600シリーズもその特徴を受け継ぎ、低めの消費電力で高い性能を発揮するGPUを志向している。また、2枚のカードを使うCrossFire Xにも対応する。

CrossFire X構成のRadeon HD 4670のイメージ写真

CrossFire X構成のRadeon HD 4670のイメージ写真

 主なアーキテクチャーや55nm製造プロセスなどはHD 4800と共通で、シェーダー数を縮小、メモリーインターフェースを低コスト化したGPUとなっている。DirectX 10.1対応、2ストリームのH.264映像をデコード可能なビデオ再生支援機能「UVD 2」内蔵といった特徴も共通だ。

 約5億1400万個のトランジスターを集積して、ダイサイズ146mm2。演算ユニットの最小単位であるStream Processorは320基と、前世代のミドルクラスGPU「Radeon HD 3600」シリーズの約2.6倍、前世代のハイエンドGPUだった「Radeon HD 3870」と同数を備えている。コアクロックはHD 4670が750MHz、HD 4650が600MHzである。

Radeon HD 4600と、前世代のHD 3600の主な仕様比較

Radeon HD 4600と、前世代のHD 3600の主な仕様比較(AMD資料より引用、以下同)

HD 4670とGeForce 9500 GTの主な仕様比較

HD 4670とGeForce 9500 GTの主な仕様比較

 ビデオメモリーは上位版のHD 4670がGDDR3とDDR3、下位版のHD 4650がDDR2に対応する。メモリーインターフェース幅は128bit。

 AMDではこれらにより、HD 4670は同価格帯の競合製品であるNVIDIAのGeForce 9500 GTに対して、1Wあたりの演算性能で4.5倍以上(8.14GFLOPS/W)、3Dグラフィックスベンチマークソフト「3DMark Vantage」のスコアで、1.85倍もの性能を発揮するとしている。

 ゲームでの実効性能も良好で、快適なプレイには高性能GPUを要求することで名高いFPS「Crysis」も、1600×1200ドットという高解像度(Medium設定)で毎秒30フレームをキープできるとしている。

AMDによるRadeon HD 4670とGeForce 9500 GTのゲームにおける性能比較グラフ。左は30fpsを基準としたグラフ、右は9500 GTを1とした相対値

 消費電力も低い。AMDの資料では、HD 4600シリーズを搭載するカードは、消費電力75W以下で動作するとしている。実際のカードではこれがさらに下がるようで、512MBの1000MHz GDDR3メモリーを搭載した構成で、カードの最大消費電力は59Wとしている。このおかげで、電力はPCI Expressインターフェースからの供給のみでことたり、外部電源コネクターを持たない。

HD 4670搭載リファレンスカードの正面写真

HD 4670搭載リファレンスカードの正面写真。消費電力が低めのため、外部電源コネクターはない

 搭載製品も各社から続々と発表される予定で、AMDでは発表翌週には店頭に並ぶとしている。予想される価格帯は、1GB DDR3搭載のHD 4670カードが1万4000円前後、512MB DDR2搭載のHD 4650カードが1万2000円前後と想定される。

 電源ユニットの能力に余裕の少ないパソコンでも、リーズナブルな価格でグラフィックス性能を向上させられるGPUとして、人気を呼びそうだ。なお、詳細なベンチマークなどについては、後日掲載の予定である。

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