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ネオジャパン desknet’s SNS関連セミナー開催

ビジネスSNSは使えるか?

2008年08月05日 15時03分更新

文● 企画報道編集部

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社内情報共有を促す運用的課題

 セッションは、続いてセミナー参加者からの質問事項紹介とその回答を行なうQ&Aセッションに移った。本誌吉川が読み上げ、林氏が回答するという形だ。

林信行氏
本誌吉川

吉川(写真右)が会場の質問を読み上げ、林氏(写真左)が回答するQ&Aセッション。現場からの問いだけに、鋭い質問が多かった

吉川  いかに情報を出してもらうか? の工夫やアイデア出しが課題と感じている、という質問がありました。

林氏 社内ブログもSNSもそうですが、コミュニケーションが成功している会社の場合は、誰かが張り付いていて目立った動きがあるたびに巻き込んでいく形にしているというのが特徴です。たとえば、「こんな面白い議論が起きている」とか「この話題はブログ/SNSで話しているから、あなたもどうぞ」とか、そういうナビゲートをするんですね。

 また、押しつけている限りは参加しないので、自発的な参加を促すスタンスも必要です。「使いたくなければ使わなくてもいい。しかし、使って貰えれば便利だと分かるし広がり出す」。そういうアプローチがいいのではないかと考えている人もいます。またほかに工夫するべき点としては、自由な発言の場を保つことです。「その発言は不適切だ」という意見がいっぱいありすぎると、書く方も困ってしまう。日本のブレストとシリコンバレーのブレストとの違いにも同じようなことが言えると思います。シリコンバレーの場合はブレストに「否定してはいけない」というルールを加えているところが多い。ブレストで却下してしまうと、「どうせ言ってもだめなんだ」という雰囲気が広まってしまい、誰も発言をしなくなり壁を作ってしまうきっかけになる。ブログやSNSも同じで、ふざけている意見はもちろんダメですが、どのような意見でもその中にいいモノがあるかもしれない。それを許容できるような雰囲気が必要だと思います。

 それから、“アイデアの所有権を主張する”というのも問題で、「これは僕のアイデアだ」と主張してしまうと、ほかの人間がそのアイデアを発展させようとしても、意見を出しにくい雰囲気が出来てしまう。そういった、いくつかの基本ルールは作る必要があると思います。もしかしたら砕けた言葉遣いも許容するほうがいいかもしれないですね。

吉川  次の質問は、“共有”が目的化することもあるのでは? というものです。これは大いにありそうな話ですが。

林氏 うーん、確かにそうですが、それはケースバイケースで対処するしかない問題かもしれないですね。

吉川 “強制参加ではない”というやり方がカギを握るのではないでしょうか? 先ほど仰った、“張り付いている人”が引っ張っていく形で、義務ではなくて付いてこさせる工夫が必要かと思いますね。強制参加だと、「僕はこれだけ共有しました!」という話にもなりかねない。

林氏  そう。そのあたりは企業のカルチャーとも密接に結びついています。積極的な議論参加にインセンティブを与えるかどうかも、与えると確かに共有が目的化してしまう部分が出てくる可能性はある。

吉川 インセンティブを与えるにしても、インセンティブそのものに工夫が必要かもしれないですね。インセンティブというのは、評価に直結するものだけとは限らないでしょう。普段直接話が出来ないような、たとえば組織の上層部と会話ができることも、ある意味インセンティブと言えるのではないでしょうか。

 続いて次の質問です。「情報が拡大解釈されてしまう可能性がある」という問いですが?

林氏 社内コミュニケーションの場合、実際のフェイストゥーフェイスのコミュニケーションで解決するのも、実は重要です。コミュニケーションがよりスムーズになりますから。ただ、その際の話の内容は、さらにブログやSNSに書き込むべきでしょう。ブログの延長を口頭で行って、そこで問題を解決したまま放っておいてしまうと、ブログが止まってしまい、問題となりますから。

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