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Microsoft Imagine Cup 2008世界大会レポート(後編)

慶応大生、24時間ぶっ通しで問題を解く

2008年07月31日 22時05分更新

文● 新 淳一/ASCII.jp

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国際大会なのに英語が苦手な高橋さん

 アルゴリズムの問題は、すべて英語で出題される。だが、名門・筑波大附属駒場高校出身とはいえ、高橋さんは英語が苦手。圧倒的にできる数学と対照的に「英語が足を引っ張って大学受験に失敗した」と恥ずかしそうに話す。それでも、辞書を片手に、あとは実際に問題にあたることで読み解き、解を導き出していった彼の数学的センスは並外れている

高橋さん

受賞してはにかむ高橋直大さん

 そもそも高橋さんは高校2年生までは野球に打ち込んでいたので、プログラミング以前にパソコンの経験が2年しかない。体をこわし、野球の代わりに打ち込めるものとしてパソコンの世界に飛び込んだのだ。

 高橋さんに同行した筑波大附属駒場高校の市川道和教諭によると、駒場高校のパソコン部は中学と混成になっていて、「上下関係もなく、できる子が他の子に教える形で、あとから学ぶ者も、みるみるうちにプログラミング力が伸びていく」環境にあるという。

 そうした環境で切磋琢磨した高橋さんは、今も仲間たちと競うように、TopCoderなどの大会に参戦しているそうだ。「目標とする高いレベルの相手がいて、そんな人たちと競えるから楽しいんですよ」と明るく話してくれた高橋さんもまた、来年のImagine Cupへの出場を誓う。

「Imagine Cupのアルゴリズム問題は、最適解が得られるタイプのものではなく、自分と相性がいい。ぼくは、アルゴリズムの世界でまだまだ基本的なことを知らないところがあるので、来年はもっと勉強してきます」と話す。

 また、大会に出場して、「普段オンラインで戦っている仲間と会うことによって、さらにやる気が引き出された」という。今年は世界3位の座を勝ち取り、帰国後は「特に英語やプログラミングのモチベーションはすごく高くなっていて、期末試験中で試験とは直接関係ないのに、英語とプログラミングの勉強ばかりやっています(笑)」というから、来年の目標は優勝のみだ。

(次ページへ続く)

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