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Microsoft Imagine Cup 2008世界大会レポート(前編)

パリで敗退の同志社大生、新たな挑戦

2008年07月31日 22時05分更新

文● 新 淳一/ASCII.jp

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 Imagine Cupはマイクロソフトが主催する世界規模の学生向け技術コンテストだ。今年は100カ国超の国からおよそ20万人の参加者がエントリーし、規模と華やかさは世界最大級といってよいだろう。7月初旬、世界大会の会場となったパリには、予選を勝ち抜いた各国代表の学生370名が集結し、5日間に渡って熱い戦いを繰り広げた。

 Imagine Cupには計9部門のコンテストがあり、中でも第1回大会から続くソフトウェアデザイン部門には同志社大学のチームNISlab(ニスラボ)など、各国選出の強豪61チームが集った。

 NISlabのメンバーは、同志社大学大学院の松下知明さん加藤宏樹さん中島伸詞さん前山晋也さんの4名と、メンターである同大理工学部情報システムデザイン学科の小板隆浩専任講師。こう紹介すると、大学の先生が優秀な学生を引き連れてパリまでと思いがちだが、小板専任講師によると松下さんらは「決して優秀な学生ではなく、むしろ落ちこぼれだったんですよ」という。ふきだまっていた松下さんらに「Imagine Cup」という大会があると持ちかけ、期待に応えてはまり込んでいく様子を小板専任講師は暖かく見守ってきた。

 松下さんらは今年4月にあった日本大会で優勝し、その後2カ月かけて課題に取り組み、世界大会での優勝を目指した。その真剣な姿は、「あいつらがあれだけがんばっているんだから、オレだって」と、まるで青春ドラマのように周囲の学生たちの意識にも大きな影響を与えたという。

ソフトウェアデザイン部門の賞金は1万5000ドル

 Imagine Cupには毎年テーマが定められており、それぞれの部門でテーマに沿った課題が与えられる。今年のテーマは「環境」で、NISlabが参加したソフトウェアデザイン部門の課題は「テクノロジーの活用による環境保護」だった。

 ソフトウェアデザイン部門の審査では、第1、第2ラウンドで上位チームが絞り込まれる。大会1日目と2日目に別々の審査員の前で同じプレゼンテーションを披露する第1ラウンドがあり、3日目に上位12チームが発表され、その夜に第2ラウンドが開かれる。

前山さん

第1ラウンドでプレゼンテーション中の前山さん

 第1、第2ラウンドは、4名の審査員を前に20分間のプレゼンテーションで開発したソリューションを紹介し、その後5分間の質疑応答という流れだ。ソフトウェアデザイン部門の賞金は優勝者が1万5000ドル(約160万円)、2位が1万ドル、3位が5000ドルである。なお、来年の優勝賞金が3万ドルに増額される。

(次ページへ続く)

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