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経済予備校 第3回

原油高騰~消費者への影響はこれから始まる~

原油高 おさえておきたい基礎の基礎

2008年07月22日 04時00分更新

文● 金山隆一、稲垣章(大空出版)

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原油高騰、長期化の理由──いったいいつまで続くのか

 原油価格高騰の影響はガソリンの値上げだけにとどまらない。漁船が使う燃料油の高騰で、日本各地で赤字のために操業できない漁業者が増加しており、そのほかにも日本に穀物や鉄鉱石を運ぶタンカーの燃料オイルや航空燃料も価格が急騰している。原油はプラスチックや化学繊維などの原料でもあり、これらの商品にも影響する。このことに対して、岡田氏は「資源輸入・製品輸出の日本は構造的に弱点を抱えている」と指摘する。

「石油に限らず、鉄鉱石、石炭、非鉄金属など天然資源の9割以上を海外に依存する日本は、原料を輸入し、それを加工して海外に輸出する、という貿易構造です。このまま原油などの高騰が続けば、日本全体ではこの1年で18兆円もの所得が産油国をはじめとする資源輸出国に流出することになります」(岡田氏)

所得流出

「価格・為替変動による所得流出」
日本総合研究所 調査部
マクロ経済研究センター資料より

 問題はこの原油価格高騰がいつまで続くかだ。岡田氏は「短期的な価格の是正はあっても米国経済の没落とドル安、新興国の台頭が続く限り、資源価格の上昇・高止まりの基調は続く」と見る。

 しかし、過去に2度の石油ショックを経験してきた日本では、エネルギーの効率利用では世界の優等生となり、低燃費の自動車や排熱を利用したエネルギーの再利用など、多くの省エネ技術を確立してきた。現在もハイブリッド自動車の生産や蓄電池、コスト競争力の高い太陽光発電素材の開発などで先行している。こうした技術をますます確立し、世界をリードしていく以外、今回の新しい石油危機に対応する道はない。

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