7月4日朝4時、地上デジタル放送の録画ルールが「コピーワンス」から「ダビング10」に変わる。このダビング10は、どういった団体が話し合ってどういった経緯で生まれてきたのか。まとめ記事では、順次、最新動向をアップデートしながらその全貌に迫っていく(関連記事)。
なおダビング10の話題は「私的録音録画補償金制度」と切り離せない。後日公開する「【ASCII.jpまとめ】私的録音録画補償金」の項目もチェックしてほしい。
1.初心者Q&A
Q 「コピーワンス」って何?
A 現在、地上/BSデジタル放送の番組で適用されている録画ルールのこと。
コピーワンスの番組はHDD、DVD、Blu-rayディスクに1度しか録画できない。例えばHDDレコーダー同士をつないで番組をコピーするような「孫コピー」は禁止されている。ただし、最初に録画した媒体がHDDの場合のみ、DVDやメモリーカードなどに番組を「移動」できる(「ムーブ」という)。この際、元のHDD側の映像は消去されてしまう。
Q コピーワンスは誰が決めた?
A 放送局と受信機メーカーで構成される旧「地上デジタル放送推進協会」(現「デジタル放送推進協会」、Dpa)が決定。2004年4月からスタートしている。
コピーワンスが導入された当時、NHKや民放連は、映画業界や音楽業界、芸能プロダクションからの導入要望が強かったと説明をしていた。なお、映像や音楽の著作権を持っている権利者団体や、実際に録画機器を使う消費者団体は、この議論の場に呼ばれなかったと言われている。
Q 「ダビング10」って何?
A 2008年7月4日から始まる、コピーワンスに次ぐ録画ルール。HDDに録画した場合、コピーワンスではDVDやメモリーカードなどに1度しかムーブできなかったが、ダビング10では9回まで「コピー」が可能になった。さらに10回目にコピーしようとするとムーブとなる(元の番組は消える)。
コピーワンスのままではユーザーが不便ということで、総務省が2006年9月から議論の場を作り、権利者、メーカー、放送局、消費者団体らを集めて話し合っていた。その後、コピーワンス緩和策として一応の合意に至ったのが、ダビング10になる。