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次世代ブラウザー 第1回

速度で選ぶ次世代ブラウザー IE 8だけじゃない

2008年05月17日 12時00分更新

文● 細谷滝音

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マシンを買い換えるか、それともブラウザーを代えるか?

 この状況の改善策は2つある。1つはマシンをより速いものに換えることだ。最近のマシンでメモリーを潤沢に積めば、JavaScriptをフルに使ったページでも快適に閲覧できる。だが、しかし「MMORPGでもない、たかだかウェブサイトの閲覧に最新マシンのスペックが必要だなんてばかげた話だ」というのが多くの人が持つ感想ではないだろうか?

 そこでオススメなのが2つめの方法、すなわちJavaScriptの処理が速いブラウザーを導入することだ。先に述べたように、もともとブラウザー開発者はAjaxのようなJavaScriptの使用法を想定していなかった。それだけにJavaScriptの動作を改善した次世代ウェブブラウザーは、大きなパフォーマンス向上が見込める。

 ここで紹介するのはWindowsで使える代表的なブラウザーである「Internet Explorer」「Firefox」「Opera」「Safari」の最新バージョンだ。Safari以外はベータ版のため常用には向かないが、今後どれだけパフォーマンスが向上するかを知るには良い材料となるだろう。



Internet Explorer 8 ベータ1

Internet Explorer 8 ベータ1

HTMLやCSSの解釈をIE7互換モードに切り替えるスイッチがある以外は、UIはほぼIE7と変わらない

 言わずと知れたWindows標準のウェブブラウザーで、圧倒的なシェアを誇る。かつて指摘されていた機能不足やセキュリティー対策の不備も、IE7で改善された。IE8ではさらに、ウェブ開発者の間で評判の悪かったウェブ標準との互換性を見直して「CSS 2.1」や「HTML5」へ対応したほか、JavaScriptなどのパフォーマンスも改善している。なお、IE8は次期Windowsとの同時リリースになる見込みで、今後さらに機能が実装される可能性がある。

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Firefox 3 ベータ5

Firefox 3 ベータ5

デフォルトのボタンインタフェースが若干変更されている。Firefox 2よりも動作は軽快に感じられた

 IEが圧倒的なシェアを誇る中に現れて、急速に支持を広げているのがFirefoxだ。Netscapeの遺産を受け継ぎ、オープンソースで開発が行なわれている。スキンを変更したり、アドオンにより機能を追加できる高いカスタマイズ性が人気を呼び、主に先進ユーザー層を中心にシェアを伸ばし続けている。Firefox 3では細かなUIの変更のほか、表示速度が大幅に改善されている。また、ほかのブラウザーのユーザーには違和感のあった、長いURLが折り返し表示されない問題も修正されている。



Opera 9.5 ベータ2

Opera 9.5 ベータ2

新機能の履歴検索は結果表示も速くて使いやすい。マイナーアップデートなのでUIの変更はなされてない

 タブブラウジングやマウスジェスチャーなど、今日のブラウザーでは当たり前となった機能をいち早く実装して評価を得たのがOperaだ。Opera 9からは「BitTorrent」クライアント機能やウィジェットなどを搭載するなど、現在も新機能の追加に積極的で、一部ユーザーに根強い人気を誇っている。Opera 9.5ベータ2では新たに全文履歴検索機能を搭載し、ツールバーに数文字入力するだけで過去に訪問したページを探し出すことができる。



Safari 3.1.1

Safari 3.1.1

フォント表示がキレイなのが印象的。シンプルなUIのせいもあって、動作が軽快に感じられる

 元々はMacの標準ブラウザーだが、2007年6月にWindows版も公開された。独自のレンダリングエンジンを搭載し、WindowsでもMac並みの綺麗なフォント表示ができる。機能の多彩さは他のブラウザーにやや劣るが、うたい文句の表示の速さに定評がある。HTMLレンダリングエンジンには、ウェブ標準に準拠した「Webkit」を採用。公式リリースされたブラウザーとして初めて「ACID2」テストに合格したが、忠実にHTMLを解釈しようとするが故に、書式の正しくないページで文字化けが起こることも。

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