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資格取得でNoリスク・Highリターン 第4回

第4回

SEがランク付けされる時代がやってくる~20代後編~ 

2008年05月14日 17時00分更新

文● 三好康之

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その他、ストラテジスト系(業務知識)の資格

 ITエンジニアとしてキャリアアップしていくためには、ストラテジ系の資格も取得しておきたいところです。ストラテジ系の資格といえば、「簿記」ですね。簿記が理解できれば、会計知識や財務諸表を読む力、基礎的な販売管理や経営管理が身につきます。取得にあたってのハードルは高くないので、この時期、まずは簿記3級から、できれば2級を取得しておきましょう。

■簿記3級・簿記2級(http://www.kentei.ne.jp/boki/
 小規模企業を対象とする商業簿記が中心なので、販売活動に伴う経理関連作業が対象。試験範囲も狭く覚えることも少ないので、短期間の学習で取得可能。ただし、余裕があれば、次の簿記2級取得も視野に入れておきましょう。簿記2級には工業簿記が含まれているため、重要な原価計算を学ぶことができるからです。

20代は、資格と向き合うと決断するとき!~まとめ~

 先に少しお話しましたが、平成21年度から情報処理技術者試験(国家試験)が大きく変わります。その、いくつかある変更点のひとつに、「人材キャリアを7区分(レベル1からレベル7)に分けて、レベル1から3は情報処理技術者試験の合否で決める」というものがあります。つまり、資格の有無によって、SEのランク付けを行なうというわけです。

 その結果、これまでのように「資格の有無と、仕事ができるかどうかは別物」というわけにはいかず、「レベル1のプログラマー」、「レベル5のSE」など、はっきりとしたランクが常について回ることになります(注1)。おそらく、給与や労働条件にも跳ね返ってくるでしょう。

 皆さんは、この方向性をどう思いますか?

 まだ資格を持っていない人は、“階級社会の到来”や“格差の助長”など、不安に感じるかもしれません。でも逆に“一歩ずつ着実にステップアップしていける「明確な階段」ができた”と考えることもできます。そう考えれば、そんなに悪い制度とも言えません。

   この制度がいいのか悪いのか、あるいは資格をそこまで重視していいのかどうか、それは筆者にもわかりません。しかし、この環境から逃げることができない以上、“資格”を自分のキャリアに活かす方向で考えていくべきです。そして、「資格と末永く付き合っていく」……そう覚悟を決めて、スタートラインにつきましょう。

注1:情報処理技術者試験の人材キャリア7区分
人材キャリア7区分は、この他レベル4は試験だけではなく経験と合わせて判定し、レベル5以上は面談等を行なって成果ベースで判定するとしている。詳細は、試験センターのホームページにて確認を。

三好康之氏

三好康之(みよし・やすゆき)

(株)エムズネット代表。SE出身のITコーディネータとして、SIベンダーとの交渉代理、見積もり妥当性チェックなど、利用者側の立場で情報化の支援をしている。また、SEの資格取得支援や執筆活動にも精力的に取り組んでいる。

e-mail:y_miyo@mwc.biglobe.ne.jp
URL:http://www5b.biglobe.ne.jp/~miyomiyo/


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