前回は、35歳の決算(資産の棚卸)についてお話ししました。一度この決算を試してみると、あなたの今持っている資産を形成するために、どれだけ時間とコストがかかっているのかがよくわかると思います。今回はその結果を踏まえて、どのようにその資産を生かすのかを考えてみましょう。
資格を活用する戦略
最初に、これまでに取得してきた資産のうち“資格”を活用する戦略について考えてみたいと思います。
資格の効果自体は、本連載の初回にざっと説明しましたが、改めて、35歳という年齢になった時に関係してくるものを考えてみます。この年齢になると、ようやく目に見える“Highリターン”が期待できるようになります。
■35歳からの資格を利用した戦略
(1)転職に有利
市場価値が高く、希少価値のある資格(第6回を参照)を持っていると転職に有利になります。そのため、資格を使って、より条件のいい会社に転職していくという戦略を立てることも可能です。ただし、35歳を超えると転職が難しくなるので、このあたりがラストチャンスだと考えておいた方がいいでしょう。
(2)独立起業、セールスエンジニア
「名刺に入れると話題になる」、「一定の知識があると顧客を安心させる」など、資格には仕事を引き寄せる力があります。その力をうまく使えば、起業やフリーランスなど独立するという戦略を立てることもできますし、歩合制のセールスエンジニアとして高額所得者を目指す戦略を立てることもできます。こちらは、特に年齢制限はないので、長期的視点で戦略を立てることができますね。
(3)副業で収入アップ
我々の業界では、資格を使って副業している人は少なくありません。書籍の執筆、講師、コンサルテーションなど、ネットを活用したり、土日に行なったり……。これらの募集は、プロコミ(資格取得者が集まっているプロフェッショナル・コミュニティ)で流通することが多いので、資格を取得してプロコミに参加し、そちらの道を目指す戦略を立てることもできます。
(4)収入は維持して、労働時間を減らす
“お金”に執着心のない人は、収入を維持したまま、労働時間を減らす戦略を考えてみるのもひとつです。これまで説明してきたものは、何も収入アップを目指すだけではありません。例えば、独立起業して、年間100日稼働で600万円稼げるのなら、200日で1200万円を目指すのもいいですが、残りを優雅に避暑地で暮らすのも自由です。筆者の知人にもそうやって優雅に暮らしている人は何人もいます。
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