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前回の第1回連載では、SE向けに用意されている資格は、国家資格で14区分(平成21年度春期試験からの新制度では12区分)、ベンダー資格で80社数百区分も存在することを説明しました。これら以外、業務知識関連資格やマネジメント関連資格などの分野も含めれば、SEが身につけておくべきスキルや資格は実に多岐にわたります(図1参照)。資格がいくらエンジニアにとって有効だと言っても、これだけ資格がさまざまであれば、戦略的な取得の計画がなければ効率が悪いだけです。そこで今回は資格取得の戦略「資格のポートフォリオ」について解説します。
ポートフォリオとは「資産運用」などをしていなければ馴染みがないかもしれませんが、そもそも安全性や収益性を考慮した投資の組み合わせや資産構成のことです。資産運用では、銀行預金、株式投資、国債等の金融商品をうまく組み合わせることによって、ローリスク・ハイリターンを狙いますが、その点は資格取得に向けた“自分の時間の投資”も同じです。資格を取得する前には「どんな組み合わせの資格をどの時期(年齢)で取得するべきなのか」のポートフォリオ=戦略をしかっり作成しておくことを著者はお勧めしたいのです。
資格の鮮度
資格のポートフォリオを考えるにあたって、まず必要になるのは“資格の鮮度”の知識です。資格の鮮度とは、資格には「賞味期限がある」という意味ですが、この鮮度について把握することは戦略のベースとなります。
資格はそもそも一定の知識量があることを証明するものです。しかしそれは、その知識の量が“年相応”なものかどうかも問われることにもなります。それまでは自慢できた資格も、ある年齢になるとその資格は持っていて当然、そのカリキュラム程度の知識は知っていて当然となってくるわけです(図2参照)。つまりこれは資格の賞味期限です。もちろん、鮮度の落ちた資格にもそれ相応の使い方はありますが、最前線には持っていくことはできなくなるでしょう。

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