素晴らしいアイデアが天から降ってくることは頻繁にはありません。しかし、新しいサービスのためのアイデアが必要となり、そしてそのアイデア提示するための企画書を作成しなければならない場面はしばしばあるでしょう。そこで今回は、より魅力的なアイデアを生み出し、それらを効果的にまとめるコツを紹介します。
アイデアを生み出すための準備
アイデアを生み出すためには、机の前だけではなく、普段から常に考え続けることも大切です。普段の生活の中から、何か気付くことがあったり、他人の行動から何か発見があることも多いでしょう。また、何もないところからは、何も生まれないものです。これも日頃から関連する資料、調査結果、過去の事例などを集め、それらを整理し、蓄積しておけばいつでもそれらをスタート地点とすることが可能です。
たとえば、製品リストや関連サービス一覧など、情報の集合を随時更新しておくと(情報を常に最新版に保っていくのが動向を把握する上でも重要な要素です)利用したい時にすぐに活用できます。ただし、集めることばかりに時間をかけてしまうと、肝心の「アイデアを生み出す」ことにかける時間が少なくなってしまいます。あくまで、スタート地点としてアイデアの土台となるものだけを用意するようにして下さい。
また、アイデアの準備段階においての条件や制限はポジティブに捉えましょう。資金的な制限や、スケジュール的な制限、人的リソースの制限など、制限の中からこそ、真にアイデアに大切な思考のみが残ります。優先順位を考え、何が本当に大切で何がなくてもかまわないのかを判断することが肝要なのです。
アイデアを生み出すために必要な思考作業
素晴らしいアイデアのほとんどは、まったく思いもよらない「新しいモノ(発想)」というわけではありません。それらは誰もが少し努力すれば考えつくところにあります。実のところ何かの組み合わせだったり、単に違った利用の仕方であったり、つまり誰にも少しの考えの工夫さえあればよい発想が生まれるチャンスがあるはずです。そこでアイデア生成のための作業手順として、効果的なポイントを挙げておきます。
●網羅する:アイデアのために必要となる要素に「抜け」がないよう網羅的に考えるようにする
●組み合わせる:(無理矢理にでも)何かと何かを組み合わせて、新しい価値が生み出せないかを考えてみる
●そぎ落とす:なくした方が価値が上がるものを考えてみる。たとえば一見必要そうに思えること(機能)をいったん自分の思考から外し、それによる新たな効果や、魅力探ってみる
●数の増減:数や量や大きさを増やすことによって価値が上がるもの、数や量や大きさを減らすことによって価値が上がるものを考える
●混沌を作る:同業者、他業種の人、高齢者、異性、子供などさまざまな人に話を聞き、自分の思考をいったん混沌とさせてみる。人から意見をもらうことによって、新たな視点でよいアイデアの可能性を探る
●リセット:(前出の提言とは相反しますが)既存の情報を素材とせず、いったんゼロから考え直し、根本的な基本に戻る
アイデアに詰まった場合は場所を変えて考えたり、乗り物で移動しながら移動中に考えたり、環境を変えると効果があります。あるいはコンピュータ上だけで考えるのではなく、紙に図やメモを書くなどして、手を動かすのも考えが広がる効果的な方法です。
アイデアをまとめる初期段階においては、アイデア素材と同様に質よりも量を増やすことを心がけましょう。数多くの素材となる小粒のアイデアを出すうちに触発されて良案が出るようになってきます。また、何がよくで何がダメなのかも明確になるはずです。初期段階では否定的な考えをせず、すべて受け入れるつもりで考えるのもよい方向へ向かう方法の1つでしょう。
思索の末、いよいよアイデアをまとめる段階では、「人に話す」という作業も有効です。必要な要素をまとめて的確に人に話すということは、結果的に自分の考えをまとめることにつながります。また、アイデアをまとめる最終的な締め切りの過程にもいくつかの小さい締め切りを作っておくのはよいでしょう。
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