ライトユーザーとヘビーユーザーをひとつの世界に――開発者に聞く「ブラビアリンク」の思想
2007年11月09日 18時02分更新
ニッチなニーズに応えるネットワークTV
── リモコンに関連付けられる録画機の数は1台だけですか?
森松氏 ネットTVボックスの代わりとしてもう1台レコーダーを関連付けできますが、レコーダーを2台、3台使うということを考え出すと、ユーザーインターフェースを表示してレコーダーを選ぶ、という導入になってしまい、それはあまり良くないかなと考えています。複数のレコーダーを使う方は、リンク機能がなくてもある程度使えるのではないかという割り切りです。やはり、複雑なことをやろうとすると、切り替え式のマルチリモコンじゃないと対応できませんし、ユーザーインターフェースを省こうとするとリモコンのボタンが増えてしまいます。お客さまが使う上で誰でもレコーダー、オーディオ、ネットTVの3つを簡単に楽しめることを最優先で考えました。
── 他社の場合、ネットワークTVはテレビの内蔵機能として持っていますが、なぜ外付けなのでしょう?
森松氏 外付けにした理由は、ネットワークTVは「アクトビラ」はもちろんのこと、色々なコンテンツが楽しめたほうがいいと考えたからです。アクトビラだけなら本体に入れることもできるのですが、今後はアクトビラ以外にもさまざまなコンテンツが発展していくことが予想されますので、テレビの中に入れるというよりは、別の機器にしてきっちりメンテナンスしていければとも考えました。
テレビには内蔵していませんが、同じリモコンで操作できることで一体感はあります。リモコンにある「VOD」ボタンは、ビデオ・オン・デマンドを発展させたいという新しいメッセージがあります。これまでだと、テレビにビデオとオーディオだけでも充分なのですが、一般的に誰が見てもいいっていうのがテレビで放送されているもので、個人の趣味的なコンテンツもオンデマンドで楽しんでほしいということで、今回はあえて盛り込みました。
── ありがとうございました。
ブラビアのリモコンが、RF無線方式でしかもテレビを介さずに周辺機器を直接操作すると聞き、当初はイメージがつかめなかったが、百聞は一見にしかず。実機の動作を見てみると、メニューを極力使わないよう配慮した操作方法は直感的でわかりやすい。テレビは多機能化する一方で、家族のだれもが楽しめなければならないという課題へのひとつの回答といえる。もともとルームリンクというDLNAを使ったヘビーユーザー向けの接続方法はあったので、ライトユーザーに配慮したおき楽リモコンと、ブラビアリンク対応機器は、ユーザー層を広げるのに貢献するのではないだろうか。
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