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吉本やエイベックスなどとの提携も発表

ユーザー数は? 著作権侵害の対策は?──データで見る「ニコニコ動画」の今

2007年10月10日 23時45分更新

文● 編集部 広田稔

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有料会員や「ニコニコ市場」などの収益モデル


 6月のRC版のスタートと同時に始まった有料会員「ニコニコプレミアム」については、10月9日時点で10万3000人を突破しているという(関連記事)。ニコニコプレミアムには、1ヵ月525円か90日で1680円という2つの料金体系がある。すべてのユーザーが月額で支払っていると仮定すると、1ヵ月で5407万5000円の収益があることになる。

 また杉本氏は、動画に関連するAmazonの商品リンクを貼り付けられる「ニコニコ市場」については、「すべての製品が売り買いされているわけではないが、9月の時点でおよそ60万点のアイテムが貼り付けられている」とコメント(関連記事)。広告については、「現在、展開しているのはトップページと動画ページのバナーだけだが、その限られた枠の中でも3ヵ月目にして1800万円という売り上げを達成できた」と述べていた。

 なお、ニコニコ動画の事業が収益を上げているかどうかについては、ドワンゴの小林氏が「黒字化はまったくしていない。来期中に単月で黒字を目指す。そのためにもユーザーの皆様、お願いします」と答えていた。

ニコニコ市場について。ニコニコ動画は7月にスタートし、当初は有料会員のみが利用できるサービスだった。その後、9月6日に一般会員にも開放されユーザー数を増やしている

広告の推移

広告について。杉本氏は、「今後バナーだけでなく、ニコニコ動画らしい方法で広告を展開していく」とも語っていた



24時間態勢で監視


 権利問題については、ニコニコ動画では、基本的に24時間体制で人間による監視を実行しているという。著作権を侵害している動画に関しては、サイト上の削除依頼フォームを通じて申請を受けると、24時間以内に閲覧を停止する仕組みだ。

 また、ニワンゴに申し込んで登録したコンテンツホルダーには、削除申請と同時に動画の閲覧を停止できる削除依頼ツールを提供している。10月現在、このツールを利用しているのは、レコード会社などの14社。同時に削除した動画と同じ動画ファイルがアップロードされると、それを検知して自動的にアップロードを止めるというシステムも用意する。

 著作権の侵害以外では、公序良俗に反する「エロ・グロ」動画について、規約に基づき24時間以内に削除している。誹謗中傷や個人情報の「晒し」(さらし)については、コメント削除依頼スレッドで対応している(ニコニコ動画の削除依頼スレッド)。

 杉本氏は、今後の方針として、作品/番組単位による包括的な削除依頼に対応できる体制を整備、削除依頼ツールの機能拡張、何が著作権侵害か分からないユーザーに専用ページを用意して啓蒙活動を強化──といった3項目を挙げた(関連記事)。



コンテンツホルダーと提携して動画を配信


 同時に吉本興業グループやエイベックス・エンタテインメント(株)といったコンテンツホルダーとパートナー関係を結び、コンテンツホルダーが保持する作品で許諾が得られたものを、将来的にニコニコ動画内に配信することも発表された。

 ニワンゴは、コンテンツホルダーが動画を提供する狙いについて、広告メディアやイーコマース、ニコニコ独自の有料視聴サービスとして展開するところにあると説明。この件について杉本氏は、「ある一定のルールの中で権利者と一緒に新しいサービスの可能性を追求していきたい」とし、「二次加工の許可を得た動画を公開してもらってみんなで楽しむ」という具体例も示した。

現時点で発表されている提携パートナーは8社。動画を提供してもらうことで、広告やEC、有料配信といったビジネスに展開することが狙いだ

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