(株)ニワンゴは10日、動画の上にコメントを付けられる動画共有サービス「ニコニコ動画(RC2)」を開始すると発表した(関連記事)。同日には記者発表会が行なわれ、サービスの新要素やニコニコ動画の現状が解説された。
今回の記事では、ニワンゴの親会社である(株)ドワンゴでニコニコ事業部長を務める杉本誠司氏の発表を元に、ニコニコ動画の利用状況や、著作権対策への姿勢をまとめてみた。
「日本最速で100万ユーザーを突破したサービス」
まず登録会員だが、今年5月17日に100万人、7月23日に200万人、9月21日に300万人と順調にその数を伸ばしており、10月9日には342万人に達したという。杉本氏は会員数について、「mixiやYahoo!オークションを抜く、72日間で100万人のユーザーを獲得した。一応、日本最速のサービスだ」とコメントしていた。
1日におけるユーザーの平均利用状況は、2007年9月の同社調査によると、ページビューが約5500万、ユニークユーザーが120万人、動画再生回数が2200万回、コメント回数が320万回、平均滞在時間は約1時間という。杉本氏はニコニコ動画について、「非常にユーザーの滞在時間が長いサービス」と説明した。
ちなみにネットレイティングス(株)の資料によれば、8月におけるニコニコ動画の月間利用者数は283万9000人で、ユーザーの総利用時間は5億5128万6000分。この数字を元に平均利用時間を計算すると、3時間14分となる。これは前月比で52%増の値で、3月から続けて滞在時間が「右肩上がり」になっている状態だ。
ちなみにモバイル向けサービスの「ニコニコモバイル」については、10月時点の利用者数が43万人で、現在も1日1万人のペースで増加しているとのこと。ユーザー比率は、NTTドコモが27万人、auが16万人(ソフトバンクは非対応)。1日あたりのページビューは20万だ。
「平均利用時間はYouTubeの3倍」
杉本氏は同じ動画共有サービスとして競合に挙げられることの多い「YouTube」との比較にも触れた。前出したネットレイティングスの調査を元に、「平均利用時間はYouTubeの3倍以上」としている。
また、両サービスの利用のされ方は大きく異なっているようだ。杉本氏はニコニコ動画の使われ方について、「ニコニコ動画は外部のブログなどに動画を貼り付けられない。だからユーザーは、面白い動画やコミュニケーションを探すために長時間滞在することになり、動画コミュニティーとして成立している」と分析する。
一方でYouTubeについては、「会員制ではないため、投稿した動画はブログやニュースの素材として取り上げられることが多い。ピンポイント的に話題を集める動画が上位に集中しており、瞬間的に閲覧される傾向にある」と評した。
