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目の前で戦車が実弾発砲!

平成19年度富士総合火力演習を取材せよ!

2007年09月15日 20時15分更新

文● アスキー戦車部長Y

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●最終段階 全軍突撃!

 爆破や砲撃で蒙気の漂う演習場に黒い影がよぎる。そう、いよいよ今年から陸自ヘリ部隊に配備された戦闘ヘリAH-64Dアパッチの登場だ。アパッチは超低空で戦車部隊の上空を航過する。高い戦闘能力はもちろん、強力な索敵システムによって戦場全体を強力に監視する能力を持っている。そして意外と飛翔音も静かで、10tの重量を感じさせない。

AH-64D 「アパッチ」

AH-64D 「アパッチ」

2006年から部隊配備が開始された戦闘ヘリ。打ちっ放しが可能な「ヘルファイア」対戦車ミサイルを搭載し、ヘリと乗員の生存率を高めている。さらに陸自が導入したタイプは、ローターの上に「ロングボウ」と呼ばれるレーダーシステムを搭載、最大128個の目標を同時に識別し、脅威度に応じて自動的に対応可能になっている

AH-64D 「アパッチ」

非常に強力な戦闘ヘリだが、導入に当たってのネックはその60億円とも言われる価格だ。日本でのライセンス生産は富士重工が担当している

 最終段階として90式戦車が突入してくる。50tの重量を1500馬力で軽々と機動させている。クローラーが土塊を派手に撒き散らす。信地旋回(片側のクローラーを停止し、もう片方を駆動して行なう旋回)、停止、そして射撃。砲口に一瞬炎の華が咲き、大気を歪めながら砲弾が標的に吸い込まれていく。砲口から発せられた衝撃波と熱波、轟音が我々取材班や観客を打つ。これが120mm戦車砲の威力なのか。どれも74式戦車の射撃時より遙かに大きく強烈だ。

90式戦車移動

90式戦車が全力走行で突入。クローラーが土塊を派手に撒き散らす!

90式戦車射撃

120mm戦車砲を発射!すさまじい発砲炎、そして目標めがけ飛翔する砲弾が見える

90式戦車射撃後

衝撃波と轟音が観客席を打つ。さすがに120mm戦車砲の砲撃は強烈だ!

 そして煙幕弾の斉射だ。まさに終幕ということだ。これで演習はすべて終了となる。演習場に進入した全車両が停止し、先ほどまでの砲声がすべて消え去り静まりかえった演習場に終了のラッパが響き渡る。

最後に煙幕弾を斉射。富士山が見えなくなるくらいの煙幕が立ち上がる

 遠藤隊長を始め、我々取材班は魂を抜かれたように立ちつくす。火薬と鋼鉄の合奏による力の祭典はこれで終わりなのだ。

やがて演習場に展開していた車輌が隊列を組んで退去していく。隊員達が車輌の上から手を振っている

(次ページへ続く)

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