大砲や銃を楽器として使用する「自衛隊の大砲を使ったコンサート07」が20日、練馬区の陸上自衛隊朝霞訓練場で開催された。特別ゲストとして漫画家の松本零士氏が訪れ、ベートヴェンの「ウェリントンの勝利」、組曲宇宙戦艦ヤマト、チャイコフスキーの「大序曲1812年」などが演奏された。
自衛隊の音楽隊と、特科隊(大砲射撃部隊)による「自衛隊の大砲を使ったコンサート07」
ベートーヴェン作曲の「ウェリントンの勝利」は、曲中にライフル銃を撃ち合うパートがあり、M1ライフル銃10丁で100発を撃ち楽器とする。ベートーヴェンが作曲してから約200年、オリジナルのまま演奏されるのは日本初という。
また、チャイコフスキーの「大序曲1812年」は、ロシアに勝利をもたらしたといわれている砲兵部隊の活躍を表すのに、曲の中で大砲のパートが記されている。通常は、大太鼓やシンセサイザー等で代用するのだが、今回の演奏では本物の大砲(105mmキャノン砲×4門)を使用して、実際に射撃を行なった。
銃を持った少年工科学校のドリル隊が入場。音楽隊の後ろで曲に合わせてライフル銃(空砲)を撃つ
特別ゲストの松本零士氏。宇宙戦艦ヤマトの曲に対して「生きて帰るための、そして全人類が国境や人種の隔てなく“地球人”として、共に未来のために戦う物語だということを思い出してほしい」とコメントした
松本零士氏の挨拶の後、宇宙戦艦ヤマトのテーマ曲や、和太鼓の力強い演奏が披露された
いよいよ大砲を使ったチャイコフスキーの「大序曲1812年」の演奏が始まる!
今回のコンサートで使用された砲弾(空砲)は計29発
ここぞ、というところで大砲発射! ズドーンという重低音が辺りに響き渡る。空中に舞っているのは空砲に詰められた緩衝材。砲自体を傷めないためにも、空砲弾には緩衝材が詰められており、発射時にそれが飛び散るのだ
射撃直後に薬きょうが排出される。空薬きょうは煙を出しながらアスファルトに落ち、ガランという乾いた音を発する
クライマックスでは大砲を連発。観客のボルテージも最高潮に!
演奏が終了しても姿勢を乱さない。短時間での砲弾の装填といい、隊員の練度が非常に高いといえる。その動きは美しく、見ていて気持ちがよかった
演奏に使用された105ミリ榴弾砲。なお、本物の大砲を使用したコンサートは、3年前の観閲式の際に好評だったため、今回も行なうことになったという
動画で観る大砲発射の瞬間!
砲弾装填
射撃!(単射×5)
圧巻のクライマックス!