本記事は2008年度作成の富士総合火力演習(総火演)紹介記事(2008年6月18日公開)を元に、最新の情報を加えてアップデートしたものです。2009年度の富士総合火力演習は、8月30日(日)に開催されます。
前編「富士総合火力演習の心得!(応募・準備編)」に引き続き、富士総合火力演習観覧のための心得をお送りしよう。後編では、機材や道具の準備、当日の演習内容を解説する。
富士火力演習の場合、一般見学者の観覧は原則的に抽選となる。募集期間は毎年6月下旬から7月中旬にかけてで、陸上自衛隊のサイトで告知される。
陸上自衛隊幕僚監部広報(陸幕広報)担当者によると、当日は炎天下長時間かつ轟音頻発のイベントとなるので、未就学児童に関しては観覧をご遠慮いただきたい、とのこと。確かに以前の総火演で戦車砲の射撃で驚いて泣いているお子さんが居たので、その点については無理をせず、もう少し成長してから親子で存分に楽しんでいただきたい。
観覧場所について理解せよ!
会場に着いたら、まず当選はがきなどを入場券に交換する。このとき「プログラム」に相当するパンフレットがあるので貰っておくとよい。防衛ホーム新聞の号外(になると思う)で演習のタイムスケジュールや演習会場の見取り図、登場する兵器の写真と名称などが記載されており、何かと重宝する。
当日の開催の有無の確認
火力演習の時期は台風シーズンで、天候によっては演習が中止になることもある。当日の天気が不安定で開催が危ぶまれる場合は、ラジオ放送で実施状況を確認しよう。陸幕広報によると本年の放送局はまだ調整中とのことだったが、過去には東京放送(TBSラジオ)、静岡放送(SBS)、山梨放送(YBS)、中部日本放送(CBC)などで実施の有無がアナウンスされた。アナウンスの放送時間は、例年6時20分から40分の間である。ちなみに担当編集者は、10数年前にこの放送のことを知らずに東京から現地に向かい、御殿場駅前で自衛官に聞いて初めて中止を知ったことがある。
一般の入場者は、一般観覧席(演習場に隣接したシート席とその後方にあるスタンド席)から演習を見る。招待席や記者席などもあるが、招待券やプレス証がなければ立ち入れない。
シート席は、戦車などが展開し射撃するエリアと隣接している。最前列は、場所によって射撃エリアから100m前後に位置し、間近に車両や射撃を見えるため、大変な迫力を感じられる。撮影スポットとしても好適なのだが、最前列の確保は難しい。
最前列を逃して後方から見ることになると、前の人が頭に視界が遮られたり自分が後ろの人の邪魔になったりする。三脚を立てていて怒鳴られたとか、立っていて後ろの人とトラブルになったとか、そういう例にも事欠かない。
一方スタンド席は、シート席後方に数m程度の高さで設置される階段状の観覧席で、前の人が邪魔になって見えないケースは少なくなる。見晴らしもよく、対戦車ヘリの攻撃展示などはスタンドからの視線が配慮されるので、その勇姿を堪能しやすい。ただし、直近の射撃エリアからの距離は目視で200~300m前後以上あり、迫力という点でシート席よりも劣る。
(次ページへ続く)