17日~19日の3日間、東京ビッグサイトで「テロ対策特殊装備展」が開催された。これは、「危機管理産業展2007」の特別併催企画として、今年初めて開催されるテロ対策機器・情報専門の展示会だ。同展では、普段我々が見ることのできないような各国の特殊部隊で採用されている各種装備が展示されていた。
この「テロ対策特殊装備展」の入場料は5万円(招待券持参者、事前登録者は無料)。しかも、入場に際し審査があり、身分証を提示しなければならない。入場希望者の所属や目的を告げ、主催者の審査を受けなければ入場できないため、マニア的な関心を持っても、それだけでは入場できないのだ。
ということで、ASCII.jpミリタリー特別取材班では、普段目にすることができない各種装備が一同に会していることもあり、せっかくの機会ということで取材を敢行することにした。ここでは、取材班が「これは!」と思ったいくつかのブースを紹介していこう。これから「テロ対策装備展」を訪れる人には参観の参考に、残念ながら行く機会が無い方はバーチャル体験、ということで記事を読んで頂けたら幸いだ。
会場で入場登録を済ませると金属探知ゲートを通ることに。筆者も同行した北村記者もテロリストではないし、妙な所に怪しい器具とか隠し持っている訳でもないので無事通過。さてさて会場内で何から見ていこうかと廻りを見ると……。
現代版音波砲出現!
コーンズドッドウェル
遙か向こうで巨大な黒い円盤が何やら喋っている。見当で約30メートルほど離れているのだが、言語明瞭できちんと内容を聞き取れる。さりとて特段に大音量ということもない。どうやら指向性を持った音波を長距離に照射出来るシステムらしい。解説パネルには、接近するデモ隊等に遠距離から警告音声を流したり、暴徒に対して不快な警告音を照射し、攻撃意欲を萎えさせるための装置とのこと。不快な警告音というには、ガラスをひっかくような音とかハウリング音なのだろうか。確かにそんな音を聞かされたら、暴徒と言えども“回れ右”したくなるだろう。人体に傷を付けず、また化学的な薬剤を使わずに暴徒を鎮圧出来るというのは、なかなか上手い手段ですな。
ちなみにこのブースでは他にも様々な特殊装置を展示している。厚さ20cm強のコンクリ壁の向こうを探査出来るスルーウォールレーダー(写真撮影禁止、残念!)や、イスラエル製のX線透過装置などが展示されていた。
麻薬探知犬は意外と可愛い
東都警備保障
ふと見ると犬のケージみたいなものが置いてあるブースがあった。もしや、犬がいるかもと思いケージを覗いてみると、奥で畏まって座っているではありませんか!
お願いするとトレーナーの方が犬を出して紹介してくれた。名前はバディ。米国ロサンゼルス生まれのゴールデンレトリーバーで、今年で6歳半だそうだ。国内の民間企業の要請で来日し、麻薬探知に活躍してきたとのこと。
トレーナーの方に取材をしていると、バディ君が我々にまとわりついて、湿った鼻を手の甲に押しつけてきた。むむ、意外と人なつっこいのか? いや、もしかすると麻薬探知をされていたのかも。
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