この春、新たなケータイキャリアーとして開業した“イー・モバイル”。サービス開始前から各メディアをにぎわせたのでご存じの方も多いと思う。
「高速モバイル通信を低コストで」という看板を掲げ、当面のところデータ通信端末のみで音声通話端末はナシといった、これまでの通信キャリアとはひと味違ったサービスを展開している。独自性のあるサービスなので、一般的なケータイキャリアーとの違いがよく分からないという人も多いだろう。今回はイー・モバイルに関する疑問について調査してみた。
他のケータイキャリアーやPHSとの違いを知る
Q 音声通話はこれからもできないの?
A 2008年3月からは音声通話サービスを開始する予定だ。ただし、現在発売されている端末はデータ通信のみに対応しているので、別途音声通話に対応した端末を入手する必要がある。
Q 端末にはどんな種類がある?
A 大きく2つに分かれている。1つはWindows Mobileを搭載し、キーボードも利用できるPDAタイプの『EM・ONE』。もう1つはノートパソコンやPDAに差して使うカード型のものだ。カード型にはPCカード型の『D01NE』とCFカード型の『D01NX』がある。また、Mac OSにも対応したUSBモデム型の『D01HW』も発売されている。
Q 端末価格が高いように感じるが。
A 年間契約することで安価に購入できる。例えば、EM・ONE(9万5000円)を購入する場合、同時に2年契約を申し込むと、価格は3万9800円と大幅に安くなる。ただし、契約期間内に解約すると、契約期間や利用期間に応じた解除料が発生する点は注意。
Q 気になる通信速度は?
A イー・モバイルではHSDPAという通信方式を採用している。これはNTTドコモの“FOMAハイスピード”やソフトバンクの“3Gハイスピード”と同様のもので、いわゆる3.5Gと呼ばれる通信規格だ。ダウンロード時には最大3.6Mbpsという無線LANと比べても遜色ない速度が出る(アップロード時は384kbps)。
Q イー・モバイルの特徴は?
A “高速”かつ“定額制”であること。同等速度での通信ができるほかの携帯キャリアーのプランでは、パソコンを利用したデータ通信に関しては従量制になる。
PHSキャリアーのウィルコムは、定額制のプランを用意しているが、通信速度はW-OAM typeG対応の端末を利用した場合でも最大512kbpsまで。料金に関しても、最大64kbpsの2xパケット通信で“つなぎ放題”(年間割引付加)を選択した場合で、月額5176円とやや割高な印象だ。一方で、イー・モバイルのデメリットは、対応エリアがまだまだ少なく大都市周辺でしか利用できない点が挙げられるだろう。

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