根強い海賊版問題
とはいえ、中国では、どの都市どの街でも、まんべんなく海賊版を販売しているDVD屋がある、かなりの田舎でもその状況は変わらない。
プレーヤーの普及率も高く、リッチな層から貧困層まで、世界最多(公称13億)の人口の大部分が、DVDプレーヤーやVCDプレーヤーを利用している。こういう状況を考えると、ある意味海賊版の浸透度合は最悪とも言えよう。パソコン関連も似たような状況で、電脳街があるような都市なら、ほぼ100%店や路上で海賊版ソフトが売られている。
所得格差が原因と、ユーザーは言うが……
中国の海賊版はどこまで改善されるだろうか? 最近になってWTOの提訴もあり、中国の各メディアは「海賊版ソフトを買ってはならぬ」と啓蒙する記事を掲載している。
が、インターネットに記事が掲載されると、必ずその感想欄には「所得が少ないからしょうがないじゃないか」という言い訳が並ぶ。確かにソフトウェアは全世界において、その国その国の国民の平均所得とは関係なく、ほぼ共通の価格で販売されている。
ならばと、ある中国メディアは「最も平均所得が高い広東省で、海賊版はほかの地域よりましな状況なのか? いや他の地域と変わらなかった」といった内容の記事を掲載した。よく中国人の反応をご存知だと感心したのだが、このときの反応は「うるさいよ」「だからどうした!?」といった感想が多かった。痛いところをつかれたのかもしれない。
(インフラはさておき)中国大陸と文化や習慣がよく似ており、また平均所得も日本人に近い――つまり中国本土よりずっと金持ちな香港ではどうだろうか? BSAのデータでは、ここ4年間の海賊版利用率は52%から53%で横ばいになっていることが分かっている。中国の所得が上がったところで半分を切ることは難しいかもしれない。
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