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ノートパソコンの値段は給料の3ヵ月分?

中国IT小話――中国人がノートパソコンに望むこと。日本メーカーとはズレている?

2007年09月27日 17時53分更新

文● 山谷剛史

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 9月21日、中国の大手IT系ポータルサイトの中関村在線が「2007年中国ノートパソコン市場消費行為調査報告」を発表した。

電脳街の様子

中国人にとってノートパソコンはとても高額な商品だが、それでも電脳街ではさまざまなメーカーの製品が販売されている

 同サイトの読者と、上海、北京、広東省など地域限定の電脳街情報を紹介する70の関連サイトの読者が調査対象。調査サンプル数は7426。男女比は6:1で、年齢別では「18~25歳」が5割強、「26~35歳」が約4割弱を占め、18~35歳まででサンプルの9割を占める。逆に36歳以上と18歳未満のサンプル数は1割以下となっている。

 職種別でも「学生」が26.1%、「技術職」が20.7%、「一般職」が20.4%となり、学生の割合が多かった。男性読者の比率が多いのは日本のIT系メディアと共通しているが、年齢は青年層に集中しているのは中国ならではといえよう。

 中年層となると当時の中国の国内事情から若いときに知識を得る機会が少なかったため、最新のIT関連の知識を積極的に得ようとしない、というのが一般的な見解だ。インターネット利用者の統計でも中年層と青年層を境にして、ITの利用者が激減するということが判明している。



中国人はノートパソコンに月給数ヵ月分を惜しまない!


 中国人の平均所得(貧富の差が半端でないので平均所得だけで括るのは乱暴だけれど)は都市住民では2万円程度となっている。「これではとてもじゃないが、一般庶民がノートパソコンを購入する機会がない」と思いそうだが、中国人の金銭感覚は日本人のそれとは異なる。ノートパソコンなどIT製品に限らず、月給以上のものでも躊躇なく買える感覚を持っているのだ。

 今回の調査サンプルも月収別で見れば「1000~3000元」(約15300~45900円)が全体の53.8%と最も多く、続いて「1000元未満」(約15300円以下)が21.6%、「3001~5000元」(約45900~76500円)が18.1%とこれで9割以上を占める。

 つまり、低価格ノートパソコンですら月収を軽く越える人がほとんどという結果となる。ところがこのサンプル全体の36.4%もの人がすでにノートパソコンを所有しており、62.2%がノートパソコンを購入する計画があり、購入を考えていない人はわずか1.4%という結果となった。

 ノートパソコンを所有している人に購入価格を聞くと、「6000~8000元」(約9万円強~12万円強)が全体の35.3%と最も多く、続いて「8001~10000元」(約12万~15万円強)が23.8%、「10001~15000元」(約15万~23万円強)、「6000元未満」(約9万円未満)が18.5%、「15000元以上」(約23万円以上)が3.8%と続いた。

 日本人の感覚からすれば、給料が安いんだから、当然低価格パソコンが人気なんだろうと思うところだが、低価格機種を所有する人は驚くほど少ないのである。

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