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リンデン・ラボ訪問記

社内にはビリヤード場、「週に1度はセカンドライフ」が社則

2007年04月29日 00時00分更新

文● 遠竹智寿子

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“週に1度はセカンドライフに入る”が社則


――一般の会社では、就業中にセカンドライフに入ることは禁止されてしまいますが、リンデン・ラボではOKですよね?

キャサリン もちろんです(笑)。週に1度、決められた時間に入って中のレジデンスたちと交流を持つといったルールもあります。私は以前よく、記者の方たちを(セカンドライフ内の)自宅に招き、ホットタブを開放したりしていました。お互いに打ち解けやすく、話も弾みますね。

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プレイルームの遊び道具には、アナログなビリアード台とひと世代前のゲーム機が……

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CEOのフィリップ・ローズデール氏も取材やビジネスイベントなど各方面に引っ張りだこの毎日だ。

――多数の企業が参入していますが、彼らの目的はどこにあるのでしょう。

キャサリン 例えばIBMは、大変エキサイティングな気持ちでセカンドライフに参加しています。彼らはいろいろなケースやテストを試みていますね。ひとつ言っておきたいのは、このバーチャルワールドは、今はまだ黎明期にあるということです。参加している企業はまったく新しい双方向のしくみで顧客と結びつくことができる方法を模索しているところですが、みんなそこに明るい未来を見ています。1990年代の中ごろ、ウェブを使ったプロモーションにどんなものがあるか、企業は模索していました。例えば、それまでパッケージでしか手にできなかったスクリーンセーバーをダウンロードによって提供しようと思いついた時に、こんなことができるんだとわくわくしたものです。あの当時のワクワク感と同じものを私自身も強く感じています。



気になる日本語版の開発スケジュールは?


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リンデンラボの入り口。こじんまりした2階建ての建物だ。ここには120名ほどが働いていると聞いたが、実際はもっと少ない印象を受けた

――今後のリンデン・ラボの動きについて教えてください。

キャサリン まずは、早急な社内の人材確保に努めています。今年初めに30人を採用しましたが、まだまだ人材募集を続けています。各地にいる才能ある人たちに参加して欲しいということもあり、支社を広げていくつもりです。この本社の近くに新しいオフィスを構えるほか、シアトル、ボストン、イギリスのブライトンなどにも支社を構える予定で動いています。

――貴社のゴールは何でしょう?

キャサリン 短期的には、現在ベータ版で評価を進めている“3Dボイス機能”の組み込みです。これはそれほど期間を要さずに正式版への展開が見られることでしょう。長い目でみたゴールは、この3Dインターネットのインフラをすべてのカルチャーの人たちが、どこからでも利用可能な環境を提供するということです。日本語版への取り組みなども、そうした取り組みのひとつです。

受付もシンプル。将来的には現在のグーグルのように大きくなっていくのだろうか?

――そういえば、日本語版は4月に出ると聞いていたのですが……?

キャサリン 年内には必ずとだけ申しておきますが、日本でのパートナーをどうするかといった問題も含んでいて、今はまだ何月に出るとはお話できない状態です。

――最後に日本のユーザに向けてメッセージをお願いします。

キャサリン もし、少しでもセカンドライフに興味を持っていて、まだ訪れたことがないなら、日本語版を待つことはありません。日本人のコミュニティもすでに活発な動きを見せています。インワールドにぜひ、あなたも一歩を踏み入れてみてくださいね。

受付の左手をまっすぐ進んで行くと、エンジニアたちの仕事場が広がる。大きめのデスクにディスプレーを2台、3台と置いて作業していた。集中した作業をしているため、見学はさせてもらったが写真撮影は控えることにした。廊下にはこれまで取り上げられた『WIRED』誌や新聞メディアの記事が掲示されている



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