日本HPは16型の2in1 PC「HP Spectre x360 16-aa0000」を発売した。CPUにはAIアクセラレーションを担う「NPU」を搭載した「Core Ultra 7プロセッサー155H」を採用。またディスプレーにはリフレッシュレート120Hz対応の16型2.8K OLEDを搭載しており、現時点のディスプレー回転型2 in 1 PCとしては最高クラスのマシンに仕上げられている。
試用機を日本HPから借用できたので、HPならではの使い勝手と、最新CPUのパフォーマンスに注目してレビューしていこう。
「Core Ultra 7プロセッサー155H」を採用
dGPUにRTX 4050を搭載した上位モデルもあり
「HP Spectre x360 16-aa0000」はOSに「Windows 11 Pro」、CPUに「Core Ultra 7プロセッサー155H」(16コア[6P+8E+2LPE]、22スレッド、4.8GHz、28W)を採用。メモリーは16GB/32GB(LPDDR5x-6400)、ストレージは512GB/1TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載している。
Core Ultra 7プロセッサー155HはGPUに「Intel Arc Graphics」、NPUに「Intel Ai Boost」を内蔵。さらに上位モデルには、dGPUとして「NVIDIA GeForce RTX 4050 Laptop GPU」が追加されている。
標準構成モデルは、メモリーとストレージの容量、またdGPUのあるなしで差別化された下記の2モデルがラインナップされている。
・パフォーマンスモデル(16-aa0000TU)33万9900円
Core Ultra 7プロセッサー155H/RAM16GB/SSD512GB
・パフォーマンスプラスモデル(16-aa0000TX)42万9000円
Core Ultra 7プロセッサー155H/GeForce RTX 4050/RAM32GB/SSD1TB
ディスプレーは、16型2.8K OLEDで2880×1800ドット、16:10、400ニト、100% DCI-P3、120Hz、タッチ対応、ペン対応、アンチリフレクションコーティング、TÜV Rheinland Eyesafe認証を搭載。
サウンド機能はPoly Studioクアッドスピーカー、デュアルマイクを装備。ディスプレー上部にはHP Wide Vision 9MP IRカメラ(約900万画素)を内蔵。生体認証は顔認証と指紋認証に対応する。
インターフェースは、Thunderbolt 4(USB4、40Gbps、USB Power Delivery、DisplayPort 2.1、電源オフUSBチャージ機能対応)×2、USB Type-A(10Gbps)、HDMI 2.1、3.5mmコンボジャックを用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.3をサポートしている。
本体サイズは約356×245×19.8mm、重量は約2.07kg。6セルのリチウムイオンバッテリー(設計容量83,028mWh/フル充電容量84,672mWh)が内蔵されており、バッテリー駆動時間はdGPUなしのパフォーマンスモデルが最大13時間、dGPUありのパフォーマンスプラスモデルが最大10時間30分だ。
2in1 PCとしては完成形に近いヒンジ機構で
あらゆる使用形態に対応可能
「HP Spectre x360 16-aa0000」はディスプレー回転型の2in1 PCだ。HP Spectre x360シリーズは2015年に初代機が発売されてからニューモデルが継続して販売されており、熟成されたヒンジ機構は軽い力で動き、確実に固定される優れもの。2in1 PC用のヒンジ機構としては完成形に近いと筆者は考えている。
JIS配列準拠の78キー日本語仕様キーボードのキーピッチは約19.0×18.4mm、キーストロークは約1.5mm。打鍵感は良好。打鍵音はやや大きめだが、耳障りではない。ハプティック(触覚)タッチパッドの面積は実測160×100mmと非常に広く、ディスプレーではタッチ操作が可能。よほど細かな操作以外ではマウスは不要だ。
16型2.8K OLEDは輝度400cd/m²、色域100% DCI-P3と謳われている。実際にカラーキャリブレーション機器で実測したところ、sRGBカバー率は100.0%、sRGB比は151.6%、AdobeRGBカバー率は95.1%、AdobeRGB比は112.4%、DCI-P3カバー率は100.0%、DCI-P3比は111.8%とスペックどおりの広色域を確認できた。AdobeRGBカバー率も95%を超えており、RAW画像の現像、動画のカラーグレーディングにも活用できる高画質ディスプレーである。
HP Wide Vision 9MP IRカメラ(約900万画素)は、室内灯下でも明るく、健康的な発色で撮影可能。またナイトモードや、オートフレーム、カメラ目線補正、背景ぼかしなどの機能も利用できる。
また離席時にロック、着席時に起動、自動画面調光、背後の人物検知、連続使用時間警告、画面距離警告などのセキュリティー、ウェルネス機能も実装。特にセキュリティー機能は、喫茶店や、コワーキングスペースで利用する際に重宝するはずだ。
ベンチマークテストでは
Core i7-1360Pの157%のマルチコア性能を記録
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