パナソニックがマイクロフォーサーズ「LUMIX G100D」を発表した。2020年に発売された前モデル「G100」から基本性能は変わらず、EVFやUSB端子など一部に改良を施したマイナーチェンジモデルとなる。
「G100」は当初Vlog向けとアピールされていたこともあり正直ノーマークだったが、意外にも静止画ユーザーにも人気が高いらしい。パナソニックから実機を借用できたので、カメラマニア目線から静止画性能をチェックしてみよう。
ミラーレスカメラなのに超小型
EVFが最新有機ELに
まず際立つのがボディーのコンパクトさだ。手のひらに収まるサイズ感でまるでコンパクトデジカメのよう。当然グリップも小振りになるが背面サムレストの指掛かりが良く、思いのほか構えやすい。価格的にはエントリークラスだが、ダイヤル類のローレット加工やボディー塗装など高品位な造りで高級感がある。
小型ボディーなので背面のボタン類は少し窮屈だ。とはいえコマンドダイヤルは前面シャッターボタン周りと背面十字キー周りのホイールと2つ備えているので、片方に露出補正を割り当てればダイレクト操作ができる。
測距点移動も背面十字キーにくわえEVF撮影時に液晶画面をなぞって移動させる「タッチパットAF」が可能である。構えたときに自然と液晶画面端に親指が掛かる小型ボディーには「タッチパットAF」の相性は抜群だ。このように実際に撮影でも基本的な操作で不満を感じることはなかった。
上面には右側に1つ、左側に2つ「Fn」ボタンを備え、好みの設定を割り当てられる。ただシャッターボタン横の「動画記録ボタン」はON/OFFの設定しかできない。静止画メインのユーザーとしては、このボタンにも機能を割り当てたいところではある。
EVFは236万ドットの有機EL(なお前モデルは368万ドット液晶)。倍率は35mm換算0.74倍と小型ボディーながら大きな像で視認できる。
もう一つ前モデルからの変更点としてUSB端子がMicro-BからTypeCに変更された。転送速度はUSB2.0でPDにも非対応なので給電も不可だが、単純に充電をするだけなら普段持ち歩いているUSB充電器やモバイルバッテリーを利用できるのはうれしい進化だ。
バッテリーも小柄で公称撮影可能枚数は約280枚と少な目。実際に撮影してみるとRAW+JPEGで140カット280枚とまさかのスペック通りで電池切れ。USB給電非対応なので旅行などでは予備のバッテリー(量販店で6730円程度)を用意したほうがいいだろう。
キットレンズがサイズ感ピタリ
大口径小型レンズも魅力
この小型ボディーと最適な組み合わせなのがキットのレンズだ。標準ズームの「LUMIX G VARIO 12-32mmF3.5-5.6」は沈胴式で収納時の全長は約24mmとコンパクトになるので楽々持ち歩ける。望遠ズームの「LUMIX G VARIO 45-150mm F4-5.6」は35mm算300mm相当なのに重量約200gと軽量。手軽に望遠撮影が楽しめる。
この2本があれば幅広い画角の写真を撮ることができるので、ミラーレスデビューの入門機にはダブルレンズキットがオススメだ。
とはいえ標準ズームは少し描写が物足りなく、望遠レンズはAFがのんびりといった気になる点もある。またカメラマニアとしてはズームではイマイチ面白みに欠けると思う人も多いだろう。
そんなマニアは開放F値が明るい単焦点に注目。ザっとみても「9mmF1.7」や「15mmF1.7」、「42.5mmF1.7」などなど個性的なレンズが豊富にランナップされている(しかもサイズはコンパクトで価格もリーズナブル)。
そのなかから個人的に一本選ぶとしたら「LUMIX G 20mmF1.7 II」(3万130円)。人の見た目に近い35mm換算40mm相当の標準レンズで開放も明るく全長25.5mmのパンケーキレンズで、お散歩のおともに最適だ。
便利な「4Kフォトモード」
サブカメラとしてもお買い得
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