メンヘラテクノロジーの高桑蘭佳です。今月は直近半年くらい受けているコーチングのことを書いてみよう!と思います。……が、コーチングなんかいいかんじ〜と最近思いながらも、あまり深く考える機会がなかったので、これを機に整理してみようと思います。
コーチングとカウンセリングの違い
コーチングと似ているものとして、「カウンセリング」が挙げられたりします。私は高校・大学時代の精神的に苦しい時期に定期的にカウンセリングに通っていたり、メンヘラテクノロジーで運営している相談アプリ「メンヘラせんぱい」を開発するときにもカウンセリングの考え方を参考にしたりしています。このカウンセリングとコーチングの違いについて調べてみると、カウンセリングサービス「cotree」のコラムにある説明がわかりやすかったです。
・カウンセリングは「1. 不調をなんとかする」ために「2. 現状を整理する」。その結果「3. 未来に向かう」ことができる
・コーチングは「3. 未来に向かう」ために「2. 現状を整理する」。その結果「1. 不調がなんとかなる」
カウンセリングと近しいものとしてコーチングの存在は結構前から知っており、まわりの起業家でも利用している人がちらほらいたこともあって、お試し程度でコーチングを受けたこともありました。しかし、明確な理由はわからないのですが、いまいちカウンセリングや自社の相談アプリと違う価値を感じることができずにいました。
半年前にコーチングを受け始めたきっかけは、昨年参加した社会起業家支援プログラム(過去記事)のワークショップでお世話になったhal代表の瑠人さんから、社会起業家特化型コーチングサービス「Social Coaching」を始めるのでお試しで利用してみない? と誘ってもらったことでした。そのときも過去にお試しでコーチングを受けた印象から「私は受けなくても良いかな」と思い、社内の他のメンバーにお試し利用してもらうことにしました。そこから私がコーチングを受け始めるに至った経緯としては、Social Coaching内のイベントで起業家1人に対し、コーチ3人がコーチングをするという取り組みがありました。そのイベントに参加した際に、お話ししたコーチの1人がいま担当してくれているストさんでした。
そのとき、いままでのコーチングではあまりなかった脳内でローディングアニメーションが流れる感覚がありました。これが、大学時代にカウンセリングを担当してくれていたすごく信頼できて何でも話せる臨床心理士さんと話しているときの感覚にとても近いと思いました。私の中では、ローディング中の参照先がカウンセリングの場合は感情的な部分で、コーチングの場合は思考的な部分という気がしています。
脳内でローディングアニメーションが流れる感覚
私は普段から頭の中のひとりごとである内的発話(Inner speech)がたぶん多いタイプで(他の人と比較するのは難しいので実際は分からないが)、なにかのテーマについて考える時も自問自答を無限に繰り返し思考を深めていきます。この記事で書いている「コーチングの役に立ってる感とは?」というテーマについてもまさに「そもそもコーチングとは?」「役に立ってる感を言い換えると?」「類似の体験はこれまでにあったか?」「微妙だったコーチングとの違いは?」などぐるぐる自問自答を繰り返した結果をまとめています。
納得のいく答えが見つかればそこで思考は終了しますが、どこかの時点で問いが出てこなくなり、思考が止まってしまう場合もあります。そんなときは時間を置いて思考を再開すると、新たな問いが浮かぶこともあれば、なかなか出てこないことも。そんなペンディング状態のテーマが私の中にはいつも数個あり、コーチングでは自分では生み出せなかった問いをもらうことで、ペンディング状態を脱出することを期待しています。このペンディング状態を脱するときがまさにローディングアニメーションが流れる瞬間です。
私の「なんかコーチング役に立ってる感」が言語化できたところで、halの瑠人さん、ストさんにも起業家へのコーチングについて聞いてみました。
起業家へのコーチング
hal CEO 山田 瑠人さん
学生時代、起業準備中にメンタルダウンをしたことをきっかけに、コーチングとメンタルウェルネスのhalを創業。社会起業家特化のコーチングSocial Coachingを主に運営し、起業家のメンタルヘルスやリーダーシップ開発、インパクト創出・評価をサポート。NGO支援を通したコレクティブインパクト実現のファシリテーターも務める。
コーチ 須藤美幸さん(ストさん)
[わたしとして生まれてきたことを愛する]というキーワードを軸に、コーチ、抽象画家として活動中。Web広告代理店にてコンサルタント、SaaSスタートアップ企業にてカスタマーサクセス/コンサルタントを経験。社内初の女性管理職として、10名超の部門長を務めた。コーチング実績は500時間以上(国際資格申請中, 2023年10月4日時点)。これまで中間管理職、社会起業家や経営者、アーティスト、フリーランスなど、ご自身のあり方が事業や活動に与える影響が大きい方を中心にご支援。
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