ASCII Power Review 第215回
本体4万8900円で速度やディスプレー、キーボードはどう?
5万円切りのWindowsタブレットPC「UBook X」実機レビュー
2023年08月02日 10時00分更新
CHUWI(ツーウェイ)はデタッチャブルタイプの2 in 1 PC「UBook X (2023)」を発売した。本製品は低価格を追求した2in1 PCで、本体のみなら4万8900円、キーボードカバーとスタイラスペンを合わせたフルセットでも5万8900円という低価格を実現している。どんなクオリティなのか、細かな使い勝手までじっくりとチェックしていこう。
本体+キーボードカバー+ペンで5万8900円ポッキリ!
本製品に用意されているのは1モデル。OSは「Windows 11 Home」、CPUは第10世代(Amber Lake Y)の「Core i5-10210Y」(4コア、8スレッド、最大4.00GHz、7W)を採用。メモリーは8GB(LPDDR4)、ストレージは256GB(SATA接続SSD)を搭載している。直販サイトでは下記の4つのセットを用意。キーボードカバーとスタイラスペン「HiPen H7」は、単体ではどちらも5500円。フルセットで購入するのが一番お得だ。
・本体のみ:4万8900円
・本体+H7ペン:5万3900円
・本体+キーボード:5万3900円
・本体+キーボード+H7ペン:5万8900円
ディスプレーは12インチIPS液晶(2160×1440ドット、3:2、340cd/m²、光沢)を採用。インカメラは「OV2680」(1600×900ドット、F2.4)、アウトカメラは「OV5648」(2560×1440ドット、F2.4)が内蔵されている。
インターフェースは、USB Type-C(データ転送、映像出力、電源供給対応)、USB 3.0 Type-A、microHDMI、3.5mmヘッドフォン端子、microSDメモリーカードスロット、キーボードカバー接続用端子を搭載。ワイヤレス通信はIEEE802.11ac、Bluetooth 5.2をサポートしている。
本体サイズは292.19×207.89×9mm、重量は810g。バッテリーは38Whを内蔵。バッテリー駆動時間は非公表だ。
ストレージはM.2スロットにSATA接続「AirDisk 256GB SSD」が搭載されており、バックパネルを開ければ換装できる可能性がある。ただし分解した場合には当然保証が切れる。基本的にはそのまま利用するか、またはmicroSDメモリーカードを増設ストレージとして運用することをお勧めする。
ハードウェアの質感は価格以上
ディスプレーもキーボードもOKだ
「UBook X」はフルセットで5万8900円という低価格な2in1 PCだが、質感は決して悪くない。ボディーはアルミニウム・マグネシウム合金とされており、本体重量は810g(実測815.5g)、厚みは9mm(実測9.97mm)。
U字型ブラケットは0~145度の範囲で無段階調整可能で、キーボードカバーもSurfaceシリーズのように角度を調整できる。CHUWI製品全体に言えることだが、ハードウェアの質感は価格以上だ。
安価なノートPCでコストを削減されがちなのがディスプレー。しかし、カラーキャリブレーション機器で色域を計測したところ、sRGBカバー率は96.8%、AdobeRGBカバー率は75.3%、DCI-P3カバー率は78.3%となった。モバイルノートPCとして平均的な色域が確保されている。
キーボードカバーのキーピッチは実測19mm前後、キーストロークは実測1.4~1.5mm前後。タッチパッドはややクリックが固めだが、ストロークは浅いので操作しにくいというほどではない。単体で5500円のキーボードカバーとしては十分なクオリティーだ。
スタイラスペン「HiPen H7」は4096段階の筆圧検知に対応。このスタイラスペンは「MPP(Microsoft Pen Protocol)」に対応しているが、ディスプレー側が傾き検知をサポートしていない。お絵描きタブレットとして利用したい方は注意してほしい。
もうひとつ注意が必要なのがカメラ画質。インカメラには「OV2680」(1600×900ドット、F2.4)、アウトカメラには「OV5648」(2560×1440ドット、F2.4)が採用されており、アウトカメラのほうが画質は上だ。
2in1 PCであればビデオ会議などでインカメラのほうを使う機会が多いと思う。搭載するカメラを逆にしてほしかったところだ。
最後に、重箱の隅を突くようだが、製品公式サイトと実際の製品で明らかにディスプレーのベゼルの幅が違っている。製品の企画、開発段階のレンダリング画像をそのまま使ってしまっているのかもしれないが、直してほしいところだ。
「インテルプロセッサー N100」の約50%相当のCPUスコア
この連載の記事
- 第267回 18インチになる世界初の2階建て2画面ノートPC「GPD DUO」実機レビュー
- 第266回 ついに発売!! キヤノンの最上位ミラーレスカメラ「EOS R1」徹底実写レビュー
- 第265回 未来デザインのPCが「CoreUltra2」で「Copilot+PC」になった!! 新「XPS13」実機レビュー
- 第264回 Copilot+PCはペンで使いたい=14型2in1ノート「HP OmniBook Ultra Flip14 AI PC」実機レビュー
- 第263回 「アポ・ズミクロン」の描写力に圧倒された!!フルサイズコンパクトカメラ「ライカQ3 43」実機レビュー
- 第262回 最先端AIで被写体トラッキング飛行してくれる超小型ドローン「DJI Neo」実機レビュー
- 第261回 最強AF撮影も1億7900万画素もやってみた=「EOS R5 MarkⅡ」実写レビュー
- 第260回 デルのフラッグシップも「スナドラX」搭載で「Copilot+PC」に=「New XPS 13」実機レビュー
- 第259回 AMDの新CPU「Ryzen AI」搭載「ASUS Zenbook S16」実機レビュー = インテルとクアルコムのCPUと比べてみた
- 第258回 最強化した「ROG Ally X」と「ROG Ally」を徹底比較したら、バッテリーが2倍長持ちだった
- この連載の一覧へ