ASCII Power Review 第187回
「Ryzen 7 6800U」の3D性能は12世代コアPシリーズを超えていました
超爆速のミニゲーミングPC「GPD WIN Max 2」実機レビュー = ビジネスノートに変身も可能っ!!
2022年09月06日 10時00分更新
天空はGPD Technology製10.1型ハンドヘルドゲーミングPC「GPD WIN Max 2」の予約を8月17日に開始し、10月下旬に発売する。
本製品はキーボード奥にゲームパッドを備えたミニノートPCだが、ゲームパッドを使用しない際には、磁力で固定できるジョイスティックカバーを装着することで、タッチパッドを奥に配置したノートPCスタイルで利用できる。
また小型ボディながら、8コア16スレッド、最大4.70GHz動作の「Ryzen 7 6800U」を搭載しており、AAAタイトルも快適に動作すると謳われている。内蔵GPUがRDNA 2「Radeon 680M」なので、期待大なのだ!
一見普通のミニノートだが
カバーをはずすとゲームパッドが現われる
天空が販売する「GPD WIN Max 2 国内正規版」には、下記の3モデルがラインナップされている。
・AMD Ryzen 7 6800U/16GB/1TB(16万3400円)
・AMD Ryzen 7 6800U/32GB/1TB(18万1900円)
・AMD Ryzen 7 6800U/32GB/2TB(20万7000円)
オプションで「4G LTEモジュール内蔵」を選ぶと、3モデルとも1万4000円高くなり、ユーザーが自分で追加する「GPD WIN Max 2専用 4G LTEモジュール」は別売で1万1000円である。
CPUは「AMD Ryzen 7 6800U」(8コア、16スレッド、最大4.70GHz動作)のみ。メモリとSSD容量で差別化が図られているわけだ。これら以外のスペックはすべて共通。OSは「Windows 11 Home」。オプションとして「Steam OS 3.0」がサポートされている。
ディスプレーは10.1インチWQXGA H-IPS液晶(2560×1600ドット、299ppi、16:10、400cd/m²、DCI-P3 80.2%、60Hz、タッチ対応、ペン対応、Corning Gorilla Glass 5、画面対ボディー比90%)を搭載。ディスプレーのヒンジ部分には200万画素ウェブカメラが内蔵されている。
ゲーム用コントローラーとしては、L1/L2、R1/R2トリガーボタン、左レバー、十字キー、パッド/マウスのトグルキー、セレクトキー、Xboxキー(Menu)、スタートキー、右レバー、ABXY/△○×□ボタン、マッピング可能なふたつのバックキーを搭載。ゲームのフィードバック用にデュアル振動モーターが内蔵されている。
インターフェースは、Thunderbolt 4(100W USB PD充電対応)×1、USB 3.2 Gen2 Type-C(100W USB PD充電対応)×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×3、HDMI 2.1×1、SDメモリーカードスロット×1、microSDメモリーカードスロット×1、3.5mmイヤフォンジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi 6とBluetooth 5.2をサポートしている。
ハンドヘルドゲーミングPCにフルサイズのSDメモリーカードスロットが搭載されているのは非常に珍しい。デジカメで撮影したデータのバックアップ機としても重宝しそうだ。
本体サイズは約227×160×23mm、重量は約1005g。67Whのリチウムポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は処理の重いゲームや作業で約3時間、普通程度のゲームや作業で約6~8時間、処理の軽いゲームや作業で約14時間と謳われている。
内蔵GPUはRDNA 2「Radeon 680M」で3D性能はCore i7-1280Pを超え
バッテリーも実際に9時間動作した!
気になるパフォーマンスをチェックしよう。今回試用しているGPD WIN Max 2は、Ryzen 7 6800U / RAM16GB(LPDDR5-6400) / 1TB SSD(PCIe Gen3 x4接続)という構成だ。比較対象機種としては第12世代Coreを搭載するノートPC「VAIO SX14」を使用する。VAIO SX14はCore i7-1280P/ RAM16GB(LPDD4X)/512GB SSD(PCIe Gen4 x4接続)という構成だ。
まずCPU性能だが、GPD WIN Max 2は「CINEBENCH R23」で11921pts、「CINEBENCH R20」で4710pts、「CINEBENCH R15」で1984cbとなった。
VAIO SX14は12875pts、4935pts、2026cbだったので、GPD WIN Max 2はその約93%、約95%、約98%のスコアを記録したことになる。Max 2が搭載するRyzenは8コア16スレッドながら、14コア20スレッドのCore i7-1280Pに肩を並べるところまで来ているわけだ。
一方3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyで2692、Fire Strikeで6476、Wild Lifeで15241、「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマーク」で8896となった。
VAIO SX14は2021、5346、14699、7830だったので、GPD WIN Max 2はその約133%、約121%、約104%、約114%のスコアを記録したことになる。RDNA 2 アーキテクチャの内蔵GPU「AMD Radeon 680M」の威力が発揮された結果だ。
ストレージ速度については、「CrystalDiskMark 8.0.4a」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)が2092MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)が1958MB/sとなった。スロット自体はPCIe Gen4 x4接続に対応しているので、より高速アクセスを求める方はストレージの交換をしてみるのもいいだろう。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、8時間55分も動作した。67Whの大容量バッテリーを搭載しているだけに、ゲームマシンとしてもビジネスマシンとしても実用上十分なバッテリー駆動時間を備えている。
ゲーム用ボタンはフル装備で
深い位置にある左右レバーもすぐに慣れる
ハンドヘルドゲーミングPCとして最も重要なのはゲームパッドの操作性。実際に、野良猫となってサイバーシティーからの脱出を目指す「Stray」をプレイしてみたが、操作性は良好だ。左右レバーが深い位置にあるのに当初は違和感があったが、すぐに慣れられた。
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