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今回もテーマは新規事業のお悩み
ASCII読者の皆さん、こんにちは!正能茉優です。
今月も、パーソルキャリア株式会社の新規事業企画、ハピキラFACTORYの代表、そして慶應義塾大学大学院の特任助教と、3つのお仕事をしています。
さて、この連載「お仕事悩み、一緒に考えます。」では、今回も、読者の皆さまからいただいたお仕事に関するお悩みについて、一緒に考えていきます。
今月のテーマは、前回に続き「新規事業が、つらい」というお便りにお返事を。
前回は新規事業に起きがちな「役割・役職ギャップ」について考えてみましたが、今回考えさせてもらうのは「企画職なのに、売上ばかり追っていて、 “企画する”仕事ができていない気がする」という2つ目のお悩みです。
まずは、お手紙の紹介からさせてください。
企画職なのに、売上ばかり追う毎日です。
はじめまして。自分は今、会社員として、新規事業の企画職をしています。
いわゆる、ディレクター職というやつです。
担当しているサービスの詳細は一旦置いておいて、最近、仕事がつらいです。
何がどうつらいのか、うまく説明できないのですが、いくつか羅列すると、
・(これは新規事業関係ないけれど)先輩が指示待ち人間なように思えて、後輩なのに仕切っている状況に腹が立つ
・企画職なのに、売上などの数字ばかり追っていて、 “企画する”仕事ができていない気がする
という感じです。
(書いてみたら、案外少なかった……でも結構しんどいです)
新卒のときからずっと企画の仕事をしたいと思って転職をして、やっと、やりたかったことができているはずなのですが、それでも楽しくないし、むしろつらくて、どうしたものかと思ってます。
気の持ちようを教えてください。
(タカギさん・28歳・IT会社 企画職)
事業づくり=「つくる×広める×売る」
先月に続き2回目となりますが、お便りありがとうございます。
「事業を企画する仕事なのに、なんで売り上げを追うのか?」という違和感ですが、確かに売り上げを追うことは、営業職の領域な気がしますよね。でも、私が思うに、事業企画というのは、実は「つくる」「広める」「売る」という3つの大きなパーツで構成されているのです。
何らかの事業を“つくって”、その事業をマーケティング活動を通して“広め”、お客様に“使っていただく”。この“使っていただく”ためのプロセスに、「売る」は存在するイメージです。
せっかくつくったサービス・事業を、誰も知らずに、誰も使ってくれなかったらそれは事業にならないので、「事業企画=つくる」は大きな誤解だと私は思っています。
「売る」が事業を決めると思った8年前の出来事
私がこう考えるようになったのは、8年前、当時大学生で起業した時の出来事が大きなきっかけです。
当時は企画に関する何の知識もない中、地域の銘菓をバレンタインギフトとしてプロデュースさせてもらい、発信・販売をしていたのですが、その時の商品の売れ行きが、売り場によっては100倍以上の差がありました。
売れた売り場は「つくる」「広める」「売る」のすべてのパーツをターゲットが一貫した状態で実現できていたのに対し、売れなかった売り場はプロモーションが不十分だったり、確保できている売り場のターゲットにズレがあったりするという状況でした。
この時、「つくる」の先にある「広める」「売る」までデザインできていることが、つくった何かがお客様の手に届く=事業が成立する条件だと気づいたのです。
「広める」「売る」にも存在する、企画の仕事
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