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ASCII Power Review 第103回

OLEDにHDMI「入力」も搭載した魅惑のモバイルノートです

富士通「LIFEBOOK CH90」実機レビュー = ついにTigerLakeのGPU能力が明らかに!!

2020年10月22日 13時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 富士通クライアントコンピューティングは13.3型有機ELディスプレーを搭載したモバイルノートPC「LIFEBOOK CH90/E3」を10月19日に発表、12月10日に販売を開始する。直販価格は19万2280円(税込)だ。

 2020年秋冬モデルなのでトーゼンTigerLakeを搭載しているわけだが、本製品のビックリポイントは「HDMI入力端子」を備えていること。

 ゲーム機などを接続すれば、有機ELディスプレーに超美麗なゲームグラフィックを表示できちゃうのである。もうそれだけで「買い!」なCH90/E3なのだが、さらに、丁寧な作りが好印象なのである。というわけで発売前の実機を同社より借用したので、ハードウェアの作り、ディスプレー画質、パフォーマンスなどについて細かくチェックしていこう。

 なお、今回借用したのは発売前の評価機だ。量産品とは外観、仕様が異なる可能性がある点には留意してほしい。

富士通クライアントコンピューティング「LIFEBOOK CH90/E3」直販価格19万2280円(税込)

CH90/E3のHDMI端子は入力/出力両対応。ゲーム機を接続すれば有機ELディスプレーで美麗グラフィックを堪能できちゃうのである。もちろんPlayStation 5だってOKだ!

TigerLake採用でインターフェースは大進化

 CH90/E3はOSに「Windows 10 Home」、CPUに第11世代(TigerLake)の「Core i5-1135G7」(4コア8スレッド、最大4.20GHz)を採用。またオフィスアプリ「Microsoft Office Home & Business 2019」が標準添付されている

 メモリーは8GB、ストレージは512GB(PCIe接続SSD)を搭載。TigerLake世代のプロセッサーは前世代比で、CPU性能が20%、iGPU性能が2倍、AI性能が5倍になったと謳われている。Core i5でも3Dグラフィックス性能については大いに期待できるのである。

 しかし、8GBメモリーはちょっと残念。オンボード搭載で換装できないだけに、16GBメモリーを搭載してほしかったところだ。

 ディスプレーは13.3型ワイド フルHD 有機EL(1920×1080ドット、60Hz)を搭載。数値は公表されていないが、高輝度、高色純度、広視野角、高速応答が謳われている。

 インターフェースはThunderbolt 4(USB 4 Gen3 Type-C、USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode対応)×2、USB 3.2 Gen 1 Type-A(電源オフUSB充電機能付き)×1、HDMI入力/出力端子×1、3.5mmヘッドセット端子×1と豊富に用意。通信機能はWi-Fi 6(11ax)、Bluetooth 5.0をサポート。Thunderbolt 4端子が左右に配置されつつ、マウスのドングルを挿すときに便利なUSB Type-Aを右側面に用意しているあたり、実にスキのないハードウェア構成だ。

 セキュリティー機能はディスプレー上部にWindows Hello対応顔認証カメラが内蔵されている。赤外線カメラは直射日光下で反応しないことがあるので、個人的には確実に動作する指紋認証センサーのほうが好みだが、利便性という点では顔認証カメラのほうが上だ。

 本体サイズは307×207×15.8mm、重量は約1.11kg。Aカバー(天面)にアルミニウム、Bカバー(ディスプレーベゼル)にプラスチック、Cカバー(パームレスト)にアルミニウム、Dカバー(底面)にマグネシウムが採用されており、軽さと剛性を両立している。

 バッテリーは53Whのリチウムイオンが内蔵されており、連続駆動時間は約13.4時間(JEITA 2.0)、充電時間は約2時間とされている。有機ELディスプレーを搭載しつつ実際にどのぐらいバッテリーがもつのかは、ベンチマークの章でチェックしよう。

本体天面。CH90/E3にはカーキとダークシルバーの2色が用意されている

本体底面。排気口近くにバータイプのゴム足が装着されており、本体うしろの排気口から出た熱気が再び内部に侵入することを防いでいる

有機ELディスプレー上部には、92万画素のWebカメラ、Windows Hello対応顔認証カメラ、4つのアレイマイクが内蔵されている

キーボードは日本語仕様だが、ひらがなが刻印されていないシンプルなデザインだ。キーピッチは約19mm

キーストロークは約1.7mm

本体前面と本体背面。向かって左側のヒンジ部分に排気口が隠れている

右側面にThunderbolt 4(USB 4 Gen3 Type-C、USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode対応)×1、USB 3.2 Gen 1 Type-A(電源オフUSB充電機能付き)×1、左側面に3.5mmヘッドセット端子×1、HDMI入力/出力端子×1、Thunderbolt 4(同)×1が配置

貸出機にはACアダプターと電源ケーブルしか付属していなかったが、もちろん製品にはマニュアルや保証書が同梱される

ACアダプターのコード長は実測178cm、電源ケーブルの長さは実測100cm

ACアダプターの型番は「ADLX65YSCXC2F」。仕様は入力100-240V~1.8A、出力20V/3.25A、15V/3A、9V/3A、5V/3A、容量は65W

本体の実測重量は1107.5g

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測246.9g

DCI-P3カバー率99.9%と映像鑑賞に適した有機ELディスプレー

 有機ELディスプレーの画質は高いレベルだ。色域などの細かいスペックは公表されていないが、カラーキャリブレーション機器で計測したところsRGBカバー率100%、AdobeRGBカバー率94.5%、DCI-P3カバー率99.9%という結果になった。DCI-P3カバー率が高いということは、映像鑑賞に適したディスプレーということになる。

 また視野角も当然広い。ほぼ真横からでも彩度、階調が保たれており、なにが表示されているのか丸わかりだ。コワーキングスペースなどで利用する機会が多いのなら、プライバシーフィルターを貼ったほうがいいかもしれない。

カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したDCI-P3カバー率は99.9%

きめ細かなグラデーション、漆黒の表現は有機ELディスプレーならではだ

もっと深い角度からでもほぼ同等の視認性が保たれる。画質はハイレベルだが、屋外で利用する機会が多いならプライバシー対策は必要だ

 Thunderbolt 4(USB 4 Gen3 Type-C、USB Power Delivery、DisplayPort Alt Mode対応)端子の採用もCH90/E3のアピールポイントだ。4Kディスプレー2台に映像出力可能になり、ケーブル長も最大2mに対応する。また、PCI Expressのデータ転送速度も従来の2倍の32Gbpsだ。周辺機器との接続の自由度、そしてパフォーマンスが大きく向上しているわけだ。

USB Power Delivery、DisplayPort Alt Modeに対応しているので、ケーブル1本で映像出力、電力供給できる

データの最大伝送速度は40GbpsとThunderbolt 3と変わらない

 さて、CH90/E3に対する不満はふたつある。ひとつ目はキーボードバックライトが搭載されていないこと。家やオフィスならディスプレーの輝度を上げればキートップが見えるが、照明を落とした飛行機内などでは輝度を下げたいこともある。そういうときにキートップの視認性を確保するためにキーボードバックライトはやはり内蔵されていてほしい。

 もうひとつの不満点はWebカメラの画質。モバイルノートPCの平均レベルには達しておりビデオ会議などに支障はないが、たとえば商品などを手に持ってデモンストレーションできるほどの解像度、画質には達していないと思う。もちろんCH90/E3に限った話ではないが、そろそろノートPCの内蔵Webカメラもスマホのインカメラと同等の画質を望みたいところだ。

ディスプレーの輝度を40%ぐらいに設定していれば、バックライトがなくてもキートップの文字を不自由なく読める

CH90/E3のWebカメラの有効画素数は約92万画素

最近のスマホのインカメラと比べると、解像感、発色は見劣りする

第10世代Core i7搭載機の
最大約2.97倍のGPU性能を発揮
 

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