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週替わりギークス 第162回

そろばんや英会話など、習い事の将来性を考えてみた

2020年02月18日 17時00分更新

文● 吉永龍樹 編集● 上代瑠偉/ASCII

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 歩いていると、「そろばん教室」という看板を見つけた。

 小学校の頃に、授業で2、3回触れたきり、人生で1度も触っていないそろばん。計算は現代社会を生きていくために必要なスキルだ。確かに、僕が幼かった1980年代には、たくさんの同級生が「そろばん教室」に通っていた覚えがある。

 だが、「Casio SL-805」などカードサイズの安い電卓が普及した頃から、誰もが小さな電卓を持てるようになった。それにともない、そろばんの需要も減退していったことは容易に想像できる。とはいえ、その時点では、ほとんどの人が毎日電卓を持ち歩くような状況にはならなかった。そろばんに、まだかろうじてニーズが残っていた時代と言えるかもしれない。

携帯電話の普及で、そろばんの存在価値は薄れた

 だが、1987年に携帯電話サービスが始まる。総務省の調査によると、携帯電話の人口普及率は、1990年度末には0.6%だったが、1995年度末には3.8%、2000年度末には47.5%、2005年度末には72.0%、2010年度末には84.5%と伸び続けている。

 携帯電話が普及すればするほど、「国民のほぼ全員が日常的に、電卓機能を使える」という状況に近づいていく。この変化は、そろばんの存在意義をますます減退させたと言える。

 現に、ベネッセ教育総合研究所が1990年〜2015年にわたり、5回実施している「学習基本調査」によると、1990年には小学生の17.5%が習っていたそろばんは、2015年には8.6%まで減少している。1990年と比較すると、ほぼ半減している状況である。おそらく、2015年以降もこの割合は減っていくと思われる。

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