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小島寛明の「規制とテクノロジー」 ― 第59回

192万円分のポイントを不正取得「無断キャンセル」二重の問題

2020年01月27日 10時00分更新

文● 小島寛明

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 ホテルの予約サイトで虚偽の宿泊予約をしたとして、51歳の母親と30歳の長男が京都府警に逮捕された。

 2020年1月23日付の朝日新聞によると、2人は、一休.com(以下、一休)で京都市内のホテルに宿泊すると予約を入れたが、無断でキャンセルしたとされる。

 一休で予約をすると、料金の数パーセント分のTポイントが付与される。無断キャンセルが発生したとしても、宿泊施設側が一休に連絡しない限り付与されるという。

 2人は、この仕組みを悪用して集めたポイントで別のホテルに泊まり、関西や北陸を転々としていたようだ。

 無断キャンセルは、数年前から深刻な問題になっている。経済産業省が、無断キャンセルの防止を目指す有識者勉強会のレポートを公表したり、予約した客が来店しなかった代金などを保証するサービスが登場したりもした。

●ポイント192万円分を不正取得した手口

 2人の逮捕容疑は、いずれも刑法の私電磁的記録不正作出と同供用、偽計業務妨害にあたるとされる。

 前者の私電磁的記録不正作出と供用は、耳慣れない人が多いかもしれない。「人の事務処理を誤らせる目的で、電磁的記録を不正に作った者」が作出に当たる。電磁的記録は、PCやスマホでやり取りされる情報を指す。

 読売新聞と朝日新聞の報道を総合すると、ポイントを不正取得した手口は次のようなものだ。

 2人は、泊まるつもりがないのに、一休で宿泊施設に予約を入れたという。宿泊施設がキャンセルになったことを一休に連絡した場合は、Tポイントは付与されないが、連絡がなかった場合はTポイントが付与される。

 この仕組みを使って、全国のホテルや旅館に2200件を超える宿泊予約をし、宿泊施設側が一休にキャンセルを連絡しなかった400件弱について、Tポイントを取得したという。付与されたポイントは、約192万円相当にのぼる。

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