科学・生物で気になることをお届け! 「数式なんて知らんし!!」 第14回
サバ缶で痩せるっていうのは「なんで言われたの?」
なぜサバ缶で痩せると言われているのか? ブームを科学的にサバく!
2019年04月10日 12時00分更新
不飽和脂肪酸が痩せる秘訣!
パソコン好きの私が〝サバ〟と言ったら、「どうせサーバーのことだろうな」と思われるかもしれませんが、今日はれっきとしたサバ、魚のサバのお話をします。
巷ではどうやら、〝サバ缶〟が流行っているようです。サバの缶詰ですね。以前私もサーバーの販促を行ったときに、ネタとして使ったサバ缶ですが、なーんでこんなにブームになってるのかなと思ったところ、どうやら〝食べると痩せるらしい〟です。なるほど、人間痩せるって聞いたらそりゃ飛びつきますね。サバ缶で痩せられるのであれば安上がりです。ハードな食事制限も運動も不要なら、毎食サバ缶食べたいところですが。
しかし、なぜサバ缶で痩せるという話になっているのでしょうか? どうやら、サバに含まれる『EPA』という成分がそのキモになっているようです。この成分が人間の『GLP-1』という細胞、通称〝痩せるホルモン細胞〟を刺激すると、どうやら〝食欲が抑えられる〟そうです。おぉ、食欲が抑えられる→そんなに食べ物いらない→痩せる、という流れのようですね。
サバ缶じゃないとダメなのかなと思いきや、普通のサバでもOKです。サバ缶の方が食べるのに手っ取り早いってだけのようですね。
いったいぜんたい、サバ缶を食べたら人間の体の中で何が起こっているのでしょうか? この〝サバ缶ブーム〟の秘密を、科学的観点でさばいていきましょう。サバだけに(すいません)。それでは、まず〝EPA〟とは何なのかを探ってみましょう。
人間大好き3文字の英字略称ですが、カタカナに直すと、『エイコサペンタエン酸』です。パソコンでも一発変換不可、しかも舌噛みそうですね。このEPA、どんな成分かと申しますと、人間になくてはならない〝必須脂肪酸〟の仲間なのです。必須という文字にその必要性が表れていますね。
動物の体の構成を維持し、生命活動のエネルギー源に欠かせない3つの栄養素が〝炭水化物〟、〝タンパク質〟、〝脂肪〟ですが、この最後の脂肪は、体内で合成できるものとできないものがあります。体内で合成できないけれど、動物にとって必要な脂肪は、外から摂る、つまり食べて得ないといけないんですね。これが必須脂肪酸です。脂肪って聞くと、「脂肪でしょ? 摂らない方が健康にいいし、痩せるんじゃないの?」と思ってしまいがちですが、この必須脂肪酸、足りなくなると、皮膚が乾燥したり、免疫不全などを起こしてしまいます。まさに〝必須〟なので、動物が生きるためには不可欠です。
ここで大事なのが、脂肪酸にも種類があることです。
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