ハイレゾ音源対応のオーディオプレーヤーというと、10~50万円ほどの高額製品がある一方で、低価格なものは1万円台から購入が可能。幅広い価格レンジから選択できるようになってきた。
今回は実売価格1~3万円ぐらいで購入できるハイレゾオーディオプレーヤーを紹介していく。具体的には以下の製品だ。
買う前に知っておきたいハイレゾオーディオプレーヤー
まずは、ハイレゾオーディオプレーヤーについて、購入前に知っておくべきことを紹介しておこう。
1番気を付けておきたいのは、基本的にイヤフォンやヘッドフォンは付属しないこと。そして、組み合わせるイヤフォンやヘッドフォンに関しては高音質なものが望ましい。
最近では、高域再生性能が40kHz以上であるなど、一定の条件を満たしたイヤフォン/ヘッドフォンに、ハイレゾ対応の表記(ロゴ)を表記している場合もある。売り場でよく確認しよう。
また、ハイレゾ音源については、基本的にPCで音楽配信サービスのサイトにアクセスし、音源を買い、プレーヤー側に転送することになる。
しかし、今回紹介する3万円以下のモデルはウォークマン以外、内部ストレージを持っていない。このため、microSDカードが必須となる。
つまり、今回紹介する製品については可能な限りハイレゾ対応のイヤフォン、ヘッドフォンを用意したいし、ウォークマン以外の機種ではmicroSDカードを購入時に揃えないといけない。この点は注意しよう。
超コンパクトなのに驚くべき多機能
「SHANLING M1」
国内ではe☆イヤホンで扱っている中国SHANLINGのプレーヤー。同店での販売価格は1万4800円。ハイレゾ対応プレーヤーとしては最小かつ最安といえる製品ではあるが、機能面は驚くべきものとなっている。
見た目は、手のひらのすっぽりと収まる超小型サイズが特徴。幅60×奥行き13×高さ50mmというサイズながらも、2.35インチ(360×400ドット)のモニターを搭載。曲名やジャケット写真なども確認可能となっている。
Bluetoothにも対応する。コーデックはaptXをサポートしており、高音質に音楽を伝送できる。
しかも、Bluetoothは送信だけでなく受信に対応している。つまり、ワイヤレスヘッドフォンなどで音楽を聴けるだけでなく、Bluetooth対応のミニコンポやスマホなどの音楽を、本機(につないだ有線イヤフォンなど)で聴けるというわけだ。
それだけではなく、本機はUSB DACとしても利用できる。本体にUSB Type-Cの端子があり、そこにAndroidスマホやMacintoshを接続することでポータブルヘッドフォンアンプになるのだ。
また、中国のSHANLINGのサイトにはWindows用ドライバーが用意されていた。(国内においては)非サポートを覚悟で導入してみたところ、USB DACとして動作させることに成功した。
操作は、本体右上にあるジョグダイヤルと本体左側面にあるボタンで行なう。ジョグダイヤルで項目や曲を選択し、ダイヤルを押し込むことで決定。戻る場合は左側面のボタンを押す。
曲の再生中、ジョグダイヤルは音量調整となり、早送りや巻き戻しは左側面のボタンで行なう。ジョグダイヤルのおかげで本体の小ささに関わらず操作はしやすい。
音楽再生形式はFLACなどに加えてDSDもサポート。メモリーは内蔵しておらず、ストレージはmicroSDXC(最大256GB)を使用する。
音については、ハイレゾらしい精細感のある音が楽しめる。逆に言えば打楽器の高い音がツンツンしているような印象。音の広がりも感じられる。なお、今回の特集すべてで試聴に使用したヘッドフォンはオーディオテクニカ「ATH-MSR7」で、楽曲は「Happy」(Pharrell Williams)、「Time goes by」(Every Little Thing)といったFLACファイルを再生した。
この小型サイズなので、Bluetoothレシーバーとして利用するのも全然あり。外出先ではハイレゾプレーヤー、家の中ではUSB DACまたはBluetoothレシーバーとして活用できる。店頭で試聴して気に入ったら、購入する価値があると思う。
主なスペック | |
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対応ファイル形式 | APE/FLAC/ALAC/WMA/AAC/OGG/MP3/WAV/AIFF/DSF/DIFF |
DAC | AK4452 |
アンプ | MAX97220 |
Bluetooth | あり |
連続再生時間 | 約9~10時間 |
本体サイズ/重量 | 幅60×奥行き13×高さ50mm/約60g |
次ページ以降では、ソニーのハイレゾウォークマンをはじめ、オヤイデ電気の「FiiO」シリーズ、上海問屋が発売したハイレゾプレーヤーなどを紹介していく。