ソニー「α6500」、オリンパス「OM-D E-M1 MarkII」、富士フイルム「X-T2」
サクサク撮れる! AFや連写が高速な最新ミラーレス一眼を選べ (1/8)
2016年12月08日 19時00分更新
最近のミラーレス機は“速い”らしい。AFの合致速度や動作、連写速度など、いままでなら一眼レフに比べてミラーレス機では不利な点として挙げられていた部分だが、それはすでに過去の話になってきているようだ。
一眼レフの最高峰であるキヤノンの「EOS-1D X Mark2」はAF/AE追従で秒間14コマ、ニコンの「D5」では秒間12コマであるのに対して、ミラーレスの最新モデルであるオリンパス「E-M1 Mark2」ではAF/AE追従で秒間18コマの連写が可能だ。
しかしよく考えてみると、連写に関して言えば反射ミラーを介していて、1コマごとにクイックリターンミラーがバタバタ動作する一眼レフに比べて、駆動部分のないミラーレス機のほうが構造的には有利なはず。
一眼レフならではの有利な点であったAFの検出方式も、ミラーレス機が像面位相差検出方式を採用してからは優位性はそれほどでもなくなってきた。さらに技術の進化によってスペック的には一眼レフを超えるミラーレス機が登場してきたわけだ。
フィルムを使用して撮影することを前提に進化してきたカメラだが、デジタル化したことで今までのフィルムカメラの延長線上にはあるものの、不要なモノと必要なモノを精査し直して、新しい時代の「カメラ」が生み出されはじめているのかもしれない。
とはいっても、電子ファインダーや背面モニターでのライブビューに比べて、まったくラグのない光学ファインダーでの撮影のほうが有利な場合もあるし、カメラ単体だけでなく、周辺機器までも含めてシステムで考えれば一眼レフを中心にしたシステムのほうが、未だに充実している部分も多い。
そんな未来の可能性を感じながら、一眼レフを超える速さを実現した最新ミラーレス機をレビューしてみたい。
世界最速0.05秒のAFを実現した
ソニー「α6500」
ソニーのαシリーズに最新モデル「α6500」(ボディーのみの実売価格 16万円前後)は、APS-Cセンサーを搭載するモデルとしては最上位機種となる。画像処理エンジン「BIONZ X」との組み合わせにより世界最速0.05秒のAFを実現している。
最近は35mm判フルサイズ素子を採用する「α7」系が頑張っていたが、APS-Cサイズを採用するシリーズも負けてはいない。
ファストハイブリッドAFの搭載で、コントラスト検出方式と位相差検出方式を併用することで高速でAF駆動を実現。高密度AF追従テクノロジーで動態追従性も大幅に向上し、AF/AE追従で秒間11コマの連写が可能になっている。
有効画素数は約2420万画素、最高感度はISO 51200まで設定可能になっている。位相差検出方式のセンサーは425点、コントラスト検出方式のセンサーは169点で画面のほぼ全域をカバーしている。
秒間11コマの連写では撮影後にプレビュー表示が行なわれるが、秒間8コマのライブビュー連写ではライブビューによるリアルタイムの確認が可能になっている。
フルサイズ素子を採用しているα7シリーズですでに採用されているボディー内5軸手ブレ補正機構をAPS-Cサイズ素子用に開発し、APS-Cサイズセンサー搭載のEマウントカメラでははじめて搭載された。
シャッタースピード約5段分の効果が得られ、静止画だけでなく、動画撮影時にも効果が得られる。
また、α6000シリーズでは初となるタッチパネルモニターを採用。フォーカス指定や操作系も大幅に向上している。
基本的には「α6300」のバージョンアップモデルで、ボディー内手ブレ補正機能と背面液晶タッチ対応の追加がメインだが、新しいフロントエンドLSIに大容量バッファメモリーを搭載したことで307コマまでの連写が可能になっている。
今回使用した機材は製品版前の評価機なので画質の評価は控えるが、コンパクトなボディーに高性能な手ブレ補正を搭載したことで、ますます魅力的なデジカメになっている。基本的にはα6300に5軸手ブレ補正とタッチモニターが追加されただけだが、元々基本性能が高いこともあり、この2つの追加だけでも十分ライバル機と渡り合えるだろう。
以降のページ(ASCII倶楽部会員向け)では、オリンパスの「OM-D E-M1 MarkII」や富士フイルムの「X-T2」を紹介。撮影サンプルも盛りだくさんだ!