Swift Playgroundsで学ぶiOSプログラミング 第3回
'orange'って言われても意味がわかりません
日本語も絵文字もオッケー!Swiftで「変数」を使う
2016年08月29日 17時00分更新
初歩の数学でも「変数」という概念、言葉は登場するでしょう。未知の数の値を求めるため、その未知数を変数として、わかっている条件から方程式を組み立て、その方程式を解いて、変数、つまり元の未知数の値を求めるために使います。または、ある数と別の数との連続的な関係を関数で表すために、それぞれの数に別々の変数を割り当てるということもあります。
プログラミングにも「変数」は盛んに登場し、非常に重要な要素となっています。ただし数学で言う変数とは似ているようで異なる面も多く、用語の意味を考え始めると混乱してしまうかもしれません。ここでは数学の変数のことはいったん忘れましょう。プログラミングの変数はそれとは別物と思ったほうがいいのです。それが、プログラミングの世界に足を踏み入れる際の、最初の関門なのかもしれません。
エラーの内容の確認方法
前回と前々回では、数字や簡単な計算式、Swiftの関数などをPlaygroundに打ち込んで、結果が表示されるのを確認しました。その際に、計算式の内容や数字の書き方によってエラーが発生することも体験したはずです。
XcodeのPlaygroundでは、数字や式を入力した行の左端に、赤丸の中に「!」マークが表示されると、その行でエラーが発生したことがわかります。実はプログラミングに関するエラーにはいろいろな種類があります。エラーを解消するには、その種類に応じた対策が必要となるのです。
エラーが発生したときには、その行の左端の赤丸部分をクリックすることで、エラーの種類を表示させることができます。前々回の例で「17/0」を打ち込んだ場合に発生したエラーは「Division by zero」というものだとわかります。これはもちろんゼロで割り算をした、というもので、プログラミングの世界ではご法度だということはその際に述べたとおりです。
今後もいろいろなエラーに遭遇することになると思いますが、その種類を見てみることによって、解決のヒントが得られる可能性があるということだけは憶えておいてください。
変数に触れてみよう
前回までは、適当な数字や、それを組み合わせた数式をPlaygroundに打ち込んでみました。今回は、まず適当な文字を打ち込んで反応を見てみましょう。なんでもいいのですが、とりあえず「orange」と入力してみます。数字のときとは違って、これはエラーになります。エラーの種類を見てみると「Use of unresolved identifier 'orange'」と書いてあります。
XcodeのPlaygroundは、初心者にはエラーの意味が難しくてわかりにくいのが欠点ですが、これを日本語に訳すと「解決できない識別子'orange'が使われた」といった意味になります。訳してもなお意味不明かもしれませんが、簡単に言うと「'orange'って言われても意味がわかりません」ということです。Swiftは「orange」という単語を知らないと言っているのです。
Swiftにはorangeという命令や、あらかじめ組み込まれた関数はないので、これは当然なのですが、Swiftのようなプログラミング言語に、知らない単語を知ったものとさせる方法があります。
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