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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第175回

AIが人間のようにゲームをプレイ 話題の「Jev」を試してわかったこと

2026年09月28日 07時00分更新

文● 新清士

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Jevがゲーム設計の「弱点」を見つけた

 Jevを両軍とも使わないケース、両軍とも使うケース、片方だけにJevを使うケースの4パターンに分けて、結果を計測したところ、顕著な差が出ました。各8バトル、合計32バトルを実施してみました。

 実は、このゲームには最初からバランスに偏りがあります。龍騎軍は長い槍を持っているのに対して、白騎士軍は剣が主体で、リーチに差があるのです。そのため、普通の状態で戦うと、龍騎軍が圧倒的に勝ってしまうという結果になります。ところが、白騎士軍だけにJevを使うと勝率が劇的に変わったのです。

 ただ、この結果がなぜ生じたのか、ログデータを解析させて調べると、さらに面白い結果が出ました。バトルの勝敗は、両軍が最初に激突する場面で決まりやすいということです。この場面で落馬する騎士が最も多く、その後の戦力比に大きく影響を与えます。

 JevなしのUEのAIは、1騎ごとに判断する仕組みなので、回り込む騎、いったん集まり直す騎、味方を援護する騎に分かれ、到着のタイミングがばらける傾向が出ます。しかし、用意された作戦候補からJevが選んだのは、「まとまって正面から当たれ」が大半でした。この傾向は数字にも表れており、Jev側は小隊の広がりが7.0m→5.1mと縮まり、進む速さも2.59→2.75m/sと少し上がっています。そのため、最序盤での激突を有利に進めることができたのです。

 Jevにはもっと多様な選択肢も用意してあったのですが、それらはまったく選ばれず、最初にまとまってぶつかれば勝てる確率が上がるという結果が明らかになりました。

 開発途中のゲーム設計上の弱点を、Jevを通じて明らかにすることができたのです。

Jevを使ったときの勝率の変化

Jevの作戦の採用率。最初の接近時にしか使われておらず、距離が縮まるとUEのAI判断のみが使われている傾向が見える

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