敵もJevにしたら「対戦相手」っぽくなった
この動画を筆者のXにアップしたところ、「対戦モードとかの敵AIとかで良さそうですね」という意見をもらい、早速実装してみることにしました。これまでのゲームには存在しなかった「敵エース」を新たに実装し、大量の弾やレーザーで攻撃してくるようにしました。そして、その操作もJevにさせるようにしました。
自機と敵エースのどちらもJevを通じて動作するようにすると、かなり迫力のある戦闘を見ることができます。もちろん、自分でも操作可能です。Jevを使うことで変わったのが、まるで人間が操作しているかのような生々しい動きが感じられるようになったことです。今までのルール式AIに判定させることもできるのですが、Jevに比べて決定の量が少ないため、動きは規則的で直線的になります。
ルール式AIだと「パターンを実行する敵」という印象ですが、Jevを使うと「対戦している相手」へと印象が大きく変わるのです。
△敵エースとの対戦動画。どちらもJevで動作しているため、生物的な動きをする
Jevを実装してみてすぐに感じたのが、ゲームバランスの調整やデバッグにも使えるだろうということです。
初期設定では、敵エースはほぼプレイヤー機に負けてしまいます。そこで、「ノーマル」以外に、「ハード」と「ヘル」という上位の難易度を設け、敵エースから撃ち出される弾幕の量を大幅に増やしました。特に、体力が30%以下になると、敵エースは「オーバードライブ」に変わり、連続レーザーと多重弾幕で猛攻をかけるのですが、プレイヤー機が回避できる空間は非常に狭まります。Jevに操作させると、ノーマルでは弾幕の隙間が広いため、回避できますが、ヘルでは回避の失敗例が目立つようになります。
さらにログデータを解析する機能も加え、「位置ヒートマップ」(右)を導入しました。これはプレイヤー機が画面のどこに滞在することが多かったかを示すデータで、対象は移動可能な画面下半分のエリアです。明るい色ほど、滞在した回数が多いことを示します。今回のデータからは、プレイヤー機が画面の端にいることが多かったとわかります。
もちろん、現状ではプレイヤー機の操作にJevを使っているため、人間よりもかなり素早く動きますが、反応速度を遅らせるなどして、より一般的な人間の動きに近づけることができます。そのうえで、Jevを使ってパラメーターを変えつつ、対戦結果を蓄積することで、最適なバランスを見いだせる可能性が高いと感じられます。
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