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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第168回

とんでもない動画生成AIが出てきた 無料で試し放題の「MiniMax H3」を徹底検証

2026年08月10日 07時00分更新

文● 新清士

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VRAM 8GBでも動作 コミュニティが高速化を加速

 H3は現実的には、RTX 4090や5090といったVRAMが24GB以上のモデルを想定していると考えられますが、ComfyUIのダイナミックメモリの仕組みと組み合わせて最適化されているため、少ないVRAM構成のビデオカードを搭載したPCでも動作します。

 筆者が試したところRTX 3060ti(VRAM8GB)でも動作しました。864x480のサイズで、高速化のためのLoRAを使って5秒間の生成に約15分かかっています。

△RTX 3060 ti(VRAM8GB)で生成した5秒x2本

 一方で、新しいエコシステムは急激に成長しつつあります。すでに過去の動画AIのノウハウの転用が始まっており、リリースから1週間経っていないにもかかわらず、1248×832の5秒間の生成に374秒かかっていたのが、59秒まで短縮されてきています。まだ、画質や音質など、課題も抱えているのですが、コミュニティでの開発は日進月歩で進んでおり、今後も品質が上がってくると考えられます。

 その中には、よりVRAM容量の小さなGPUの環境でも動作させる手法の発展も出てくるでしょう。

△筆者が実行した様々な方式でのベンチマーク(8月8日時点)。テスト環境は、バリーン・スタジオのもの

生成結果をまとめたチャート。すでに劇的な時間短縮に成功しつつある

動画AI制作を変える「ローカルで試し放題」のインパクト

 どちらにしても、MiniMax H3の登場は、現在の動画AIの制作手法を一変させることになるでしょう。動画AIはどうしても1回あたりの価格が高い一方で、ガチャのように何度も試さなければならず、自由にテストを繰り返すことができなかったためです。しかし、ローカルPC上で徹底してテストして、表現したいものを追求できるというのは、制限なく試せるため、発想の大きな転換を生み出します。

 また、H3を利用した、数多くの派生技術が登場することにもなるでしょう。同時にトラブルも生まれることでしょう。少なくとも、H3登場以前と以後と言っていいほど、画像・動画AIに影響を与える存在になることは間違いないでしょう。

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筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。株式会社バリーン・スタジオ Creative Tech Lab./デジタルハリウッド大学大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。2026年3月に発売したクラフト系サバイバルゲーム「Exelio」のAIによるキャラクターデザイン、3Dプロップの作成を担当。著書に『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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