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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第168回

とんでもない動画生成AIが出てきた 無料で試し放題の「MiniMax H3」を徹底検証

2026年08月10日 07時00分更新

文● 新清士

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MiniMaxがH3をオープンモデル化した狙い

 MiniMaxは動画生成AIサービス「Hailuo AI」を展開している企業で、1月に香港証券取引所に上場したばかりのAI新興企業です。独自の動画AIモデルHailuoシリーズをサービスとして展開してきました。

 しかし、2月に「TikTok」など強力な動画プラットフォームも持つByteDanceが、動画AIモデル「Seedance 2.0」を発表して以来、急激に動画AI市場の多くのシェアを取るという状況が起きています。筆者の独自推計では動画AIモデルの中では、約40%のシェアを握っているとみています。一方で、Hailuo AIは2025年までは多くのユーザー成長が見られていたのですが、今年に入って鈍化し、6月のAICPBのウェブトラフィック調査の動画AI部門でも、全世界13位と先頭集団から大きく引き離されている状況でした。

 動画AIで再びシェアを取るには、単に新型モデルをアップデートして競うだけでは、勝てない状況にありました。そうした状況のなか、オープン化戦略を通じて、新しいエコシステムを作るという戦略を採ってきたのです。

 7月10日、MiniMaxの創業者兼CEOである閆俊傑氏は社内書簡で、今後4年間、彼は個人名義で保有する株式のうち、1%の株式を拠出して特別基金を設立し、関連するオープンソースコミュニティの発展を継続的に支援していくことを明らかにしています。企業としてかなり本気で、オープンモデルを展開しようとしています。

 実は、筆者がH3を触ってとても驚いたのが、NSFW(職場では適切でない)データの作成も簡単にできてしまったことです。過去、動画AIのオープンモデルの公開には、不適切なデータが出ないように安全性をどうやって担保するのか、という課題がつきまとっていました。また、筆者をモデルにした動画を簡単に作れてしまうようにOmni Referenceはディープフェイクのリスクを生みます。公開後に、安全層を破壊したり、追加データでそうした制限を外すようにユーザーが改造するというのは、オープンモデルにつきまとう課題でした。また、Hailuo AIといったクラウドサービスでは、NSFWに相当する表現の規制は厳しいという印象があります。

 ところが、そうした安全性を担保する仕組みが、H3オープンモデルに、特に設けられているという印象は今のところありません。

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