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新清士の「メタバース・プレゼンス」 第168回

とんでもない動画生成AIが出てきた 無料で試し放題の「MiniMax H3」を徹底検証

2026年08月10日 07時00分更新

文● 新清士

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 とんでもない動画AIモデルがオープンモデルとして登場しました。中国MiniMaxが2日に公開した「MiniMax H3」です。現在の動画AIでシェアトップと考えられるByteDanceの「Seedance 2.0」に匹敵する性能を持ち、その使い方を工夫すればOpenAIの「Sora2」を超えた使い方ができそうなモデルです。最大の特徴は、多数の画像や動画、音楽・音声データを参照できる「Omni Reference」を搭載していることです。この性能の動画モデルがローカルPCで動いているのは信じられないほどです。さまざまな作例を通して、その潜在力の一端を紹介します。

Seedance 2.0級の動画AIがローカルPCで動く

 MiniMax H3(以下、H3)はとんでもないほど高性能な動画AIモデルです。クラウドサービス版はByteDanceの「Seedance 2.0」に匹敵する性能です。実写やアニメ風など多様な絵柄を表現可能で、画風の表現力も非常に幅広いです。また、プロンプトへの追従力も高く、指示した内容をかなり忠実に再現してくれます。ComfyUIで動作させることができる圧縮版でも、その能力はあまり減退していません。

 作例動画は「日本で、夏の午後に部活帰りに坂道を下る学生が、呼び止められて、後ろを振り向き、また歩きはじめる」という文章を、H3用にLLMで英文プロンプト化した結果です。実写風とアニメ風をそれぞれ指定して出力しています。

 中国のモデルであるためか、日本の風景に対する理解度が高く、人物も風景も、またその動きも自然に出ています。サイズは1248×832で生成していますが解像度の限界で、圧縮がかかっているところは、AIぽさがまだ残っていますが、スマホなどの小さな画面で見れば、普通のカメラで撮影したのと区別がつかないほどです。また、多くのクラウドサービスで一般的な15秒で生成して一定の物語が展開できています。これがRTX 4090搭載のローカルPCで生成できることに驚きを感じます。

それぞれの動画の一部のシーンを抜き出したもの

△坂を下るシーンの実写動画(サイズは1248×832。生成にはRTX 4090搭載PCで約20分)

△坂を下るシーンのアニメ風動画

 しかし、何と言っても、H3の最大の特徴は「Omni Reference」の機能を備えていることです(Omniは「あらゆる」という意味のラテン語)。画像は最大9枚、動画は最大3本、音楽は最大3本までを参照データとして利用することができ、それらとの一貫性を保ちながら動画を生成することができるのです。クローズドなクラウド動画AIでは、すでに多くのAIがOmni Referenceの機能を搭載しており、それを大きな売りとしていますが、オープンモデルとして公開されたのは初めてです。

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