連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第242回
市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 7月11日~7月17日
IT技術者の8割超「AI生成コードには人間のレビューが必要」/「偽・誤情報を見破れる」と自信を持つ人はICTリテラシーテストの正答率が低い、ほか
2026年07月21日 08時00分更新
本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。
今回(2026年7月11日~7月17日)は、世界13カ国で比較した日本企業のAI投資額や投資戦略、ITエンジニアのAI活用状況やAIコーディングへの態度、年間20%ペースで成長する国内iPaaS市場、偽情報/誤情報に触れた際の行動とICTリテラシーの関係についてのデータを紹介します。
[AI][IT投資] 日本企業のAI投資額は世界平均を上回る、ただしAIエージェントへの備えはまだ不十分(SAPジャパン、7月16日)
・日本企業のAI投資額は平均3120万ドル、世界平均(2800万ドル)を上回る
・8割がAIエージェントに「変革」を期待、ただし「十分備えている」はわずか2%
・7割が「AIエージェントの展開スピードにガバナンスが追いついていない」
世界13カ国のビジネスリーダー2600名(うち日本200名)を対象に、AI投資戦略の現状を調査した。2026年の日本企業のAI投資額は平均3120万ドル(約50億円)に達する見込みで、世界平均の2800万ドルを上回る。さらにこの投資額は、今後2年間で44%増加する見通しだという。AI投資のROIについても今年の22%から2年後には39%へ改善され、AIエージェントによるROIは今後2年間で2110万ドルに達すると予測している。ただし「戦略的なAI投資」が行えている企業は20%にとどまり、45%が「断片的なAI投資」になっていると回答。また、シャドーAIについても「少なくとも時々発生している」企業が68%に上った。AIエージェント向けの権限管理/アクセス管理が「整備できていない」企業は40%、人による承認/確認プロセスを設けていない企業は36%と、ガバナンス面での整備が急務となっている。
⇒ 「投資額は世界トップ水準である一方で、AIエージェントへの備えが進んでいない」日本企業のギャップが明らかになりました。調査を実施したSAPとOxford Economicsでは、日本企業のAI活用には「データ/人材育成/ガバナンス」という3つの側面で課題があると指摘しています。
[開発][AI] AIコーディングが普及しても、ITエンジニアの8割超は「人間のコードレビューは必要」(レバテック、7月15日)
・ITエンジニアの7割超がAIツールを日常的に活用、「ChatGPT」「Copilot Chat」など
・AIを活用している業務領域として、4割が「コーディング・実装」を挙げる
・AIが生成するコードについて、8割超が「人間によるレビューは必要」と回答
ITエンジニア572名を対象に、AIツールの業務活用状況について聞いた。「毎日使用している」(43.4%)と「週に数回使用している」(28.3%)の合計で、7割超のITエンジニアが日常的にAIを業務活用している。活用している業務領域としては「技術調査・情報収集」(41.1%)、「コーディング・実装」(40.9%)、「ドキュメント・仕様書作成」(28.0%)がトップ3。「コーディング・実装が効率化できた」という回答は多いものの、8割超のエンジニアが「人間によるコードレビューは必要」としており、必要と考える人のほぼ全員(95.5%)が「今後も必要」と考えていた。その理由として「ビジネス要件やユーザー文脈の理解」「システム全体の整合性・アーキテクチャ判断」などが上位に挙がり、エンジニアの役割が「実装」から「判断・意思決定」へシフトしているとの認識変化がうかがえる。
⇒ 「AI活用によって業務負荷が変化したか」という設問に、約4割が「大幅に/やや減った」と答える一方、「あまり変わらない」が5割以上を占めている点は気になります。AIが高速に生成するコードのレビューを人間が行っているとすれば、その部分で新たな業務負荷が発生しているのかもしれません。
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